【40冊目】「ブラック・スワン 下 不確実性とリスクの本質(著者:ナシーム・ニコラス・タレブ)」

記事まとめ

  • 「ブラック・スワン 下 不確実性とリスクの本質(著者:ナシーム・ニコラス・タレブ)」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「物事や流れてくる情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、一旦立ち止まってよく吟味して、それっぽいことを言っている人に騙されないようにしないといけない」ということを学んだ
  • 世の中の人たちに騙されない人生を送りたい人に本書をオススメしたい

 

「ブラック・スワン 下 不確実性とリスクの本質(著者:ナシーム・ニコラス・タレブ)」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「世の中に存在する法則や情報が、それっぽいことを言っている後付けであることが多く、それらに騙されないようにするための考え方を教えてくれる本」です。

 

本書は下巻です。

上巻は以下の記事になります。

 

上巻同様、下巻についても、「理論などは後付け、こじつけである」というような事例を紹介しています。

 

下巻については、少し専門用語、特に数学の話が多いため、慣れていない人は上巻よりは読み応えがあるように感じると思います。

ちなみに僕は、上巻は350分(5時間50分)、下巻は138分(2時間18分)で、上下巻合わせると488分(8時間8分)で読み終えることができました。

 

下巻では統計学や量子力学などの一部の理論を否定していきます。

これらの主張を読んでいくと、以前読んだ本の、行動経済学者が従来の経済学者と戦う構図に似ていると感じました。

以下の本です。

 

上記の「行動経済学の逆襲」という本も、本書も、「ファスト&スロー」という本の著者が出てきます。

これら3つの本は、同じような主張をしている本だと思ってもらえばいいと思います。

 

僕は「ファスト&スロー」の主張に納得している読者ですので、本書も納得できました。

 

成功法則なんてこじつけであるという主張です。

 

確かに、もし誰でも成功が約束できる法則があるのであれば、世界中の人がその法則を実践すればいいですし、学校教育や企業内教育で、導入しないとおかしいです。

 

「英語を簡単に話せる方法」「お金持ちになれる方法」「株で勝てる方法」「ダイエットに成功する方法」など、すべてに共通することだと思います。

 

ではそういった方法を無視して、運が回ってくるまで何もしないのが正解なのでしょうか?

 

本書では「そうではない」と言っており、「失敗しても失うものが小さいときは積極的になり、その逆の時は慎重になるよう」に勧めています。

また、運が回ってくるまで、準備をしておくこと(つまり、努力して行動すること)が大事のようです。

 

100%成功する(運が回ってくる)とは限らないですが、準備をしておかないと運もつかめず、成功することはないということでしょう。

 

成功法則の本やセミナーも、お金や時間をそれほど失わない(リスクが小さい)のであれば、購入したり参加してもいいのだと思います。

 

ただ、本書を読む限り、それらの本やセミナーで話される「法則」のようなものは、後からそれっぽいように付け加えたこじつけであることに注意しておくべきだと思います。

それを真似すれば誰でも成功するというわけではないということです。

失敗した例はすべて消し去っており、良いところだけ、都合がいいところだけ集めて説明している可能性を無視してはいけないということです。

 

このように、本書を読むと、世の中を疑うようになると思います。

それが良いか悪いかは、今後自分で確かめてみないといけません。

 

とりあえず、人を信じて得を得ることが減るかもしれませんが、損をすることも減ると思っています。

 

以上のように、日常生活において、世間に騙されないようになりたいと思っている人に本書をオススメします。

 

それでは本記事で、僕が本書から学んだことをご紹介していきます。



 

 

1. 「ブラック・スワン 下 不確実性とリスクの本質(著者:ナシーム・ニコラス・タレブ)」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「ブラック・スワン 下 不確実性とリスクの本質(著者:ナシーム・ニコラス・タレブ)」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「ブラック・スワン 下 不確実性とリスクの本質」です。

 

タイトルの「ブラック・スワン」は、人の思い込みのようなことを表しています。

 

オーストラリアが発見されるまで、旧世界の人たちは白鳥と言えばすべて白いものだと信じて疑わなかった。‥はじめて黒い白鳥が発見されたとき、一部の鳥類学者(それに鳥の色がものすごく気になる人たち)は驚き、とても興味を持ったことだろう。
‥この話は、人間が経験や観察から学べることはとても限られていること、それに、人間の知識はとてももろいことを描き出している。

ブラック・スワン 上 不確実性とリスクの本質

 

また、タイトルの「下」のとおり、上巻と下巻に分かれており、本書は下巻です。

 

原著について

本書は翻訳本です。

原題は「THE BLACK SWAN」です。

 

原著は上巻と下巻には分かれていないようです。


1-2. 著者について

著者は、「ナシーム・ニコラス・タレブ」です。

以下のウェブサイトを運営しているようです。

Nassim Nicholas Taleb's Home Page

 

Twitterアカウントは以下のようです。

Nassim Nicholas Taleb(@nntaleb)

 

経歴

「ナシーム・ニコラス・タレブ」の経歴については、本書によると以下のとおりです。

 

文芸評論家、実証主義者にて、非情のデリバティブ・トレーダー。レバノンでギリシャ正教の一家に生まれる。ウォートン・スクールMBA修了。博士号はパリ大学で取得。

ブラック・スワン 下 不確実性とリスクの本質

 

評論家が書いた本となります。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
第11章 鳥のフンを探して
第12章 夢の認識主義社会
第13章 画家のアペレス、あるいは予測が無理ならどうする?
第14章 月並みの国から果ての国、また月並みの国へ
第15章 ベル・カーブ、この壮大な知的サギ
第16章 まぐれの美学
第17章 ロックの狂える人、あるいはいけない所にベル型カーブ
第18章 まやかしの不確実性
第19章 半分ずつ、あるいは黒い白鳥に立ち向かうには

 

「だ・である調」

本書は、「です・ます調」ではなく、「だ・である調」です。

本ブログのような「○○です。」ではなく、「○○である。」という文です。

 

上巻と異なり、下巻は数学的な話が多くなっていますので、上巻よりは読み応えがある本になっています。

 

概要

本書は、日常生活にも仕事にも関係するような本だと思ってます。

「人」の心理や行動について描かれた本です。

 

上巻と同様、下巻も、主には、「騙される」「後付けでものを考える」ようなことについて書かれています。

 

下巻は特に、数学や物理学(量子力学)を否定する記述が多くなっています。

 

「統計学」については、「教室の外では使えない」と言っています。

また、宇宙論でよく出てくる、量子論の「不確定性原理」という原理も否定しています。

 

僕はこれまで宇宙論に関する本を読んできており、宇宙創生における考え方は、この「不確定性原理」から導き出されていると知っていました。

そのため、本書の主張は、少し複雑な気持ちで読んでいました。

今まで信じてきた「ビッグバン理論」や「インフレーション」などの宇宙初期に起こった予測を否定されたからです。

 

とはいえ、本書でもいわれているとおり、「失うものが小さい」のであれば、積極的な気持ちで捉えても問題ないと思ってます。

別に宇宙創生の考え方が後付けのこじつけであっても、僕にとっては大きなリスクはないからです。

宇宙に関する学びは、趣味ですからね。

 

このように、本書をすべてうのみにすることなく、柔軟に利用しようと思ってます。

 

リスクが大きいものには疑いを、小さいものはあまり気にしない

著者は何でもかんでも疑えと言っているわけではありません。

著者の考えは以下です。

 

よい方の黒い白鳥にさらされ、失敗しても失うものが小さいときにはとても積極的になり、悪い方の黒い白鳥にさらされているときにはとても保守的になる。

ブラック・スワン 下 不確実性とリスクの本質

 

リスクが大きいものを疑えということですね。

もう少し具体的に言っているものは以下です。

 

やめたほうがいいのは、大掛かりで害の多い予測を不必要にあてにすることだ。‥経済の予測をする連中や社会科学系の予想屋の言うことを真に受けてはいけない(あいつらは芸人なのだ)。でも、ピクニックに行くなら自分で予測をする。今度のピクニックについては是が非でも確かなことが言えるようにする。でも、政府が2040年の社会保障がどうのと言ったら放っておく。

ブラック・スワン 下 不確実性とリスクの本質

 

基本的に、「将来予測はできない」という考えです。

誰も未来を当てることはできないです。

そういう未来を予想するような職業の人たちには、気をつけましょうという主張ですね。

 

信じたくても、そのまま真に受けるのではなく、軽い気持ちで参考にする程度に留めるべきなのかもしれません。

 

成功するために、準備をしてチャンスをつかむ

本書を信じるのであれば、「じゃあどうすればいいのか」「何もしない方がいいのか」という疑問が湧くと思います。

世の中のほとんどのことを信じられなくなり、行動を起こすこともできなくなります。

 

著者は、「成功は運」という考えですが、「運」をつかむために、準備をしておくべきだと言ってます。

行動して、努力して、準備することで、「運」が舞い降りたきたらつかむということですかね。

 

著者の発言ではなく、他人の引用ですが、「運は準備を怠らない者に味方する」という言葉を引用しています。

 

また、著者がオススメする行動は以下の5つです。

 

5つの行動
①いい偶然と悪い偶然を区別する
②細かいことや局所的なことは見ない
③チャンスや、チャンスみたいに見えるものには片っ端から手を出す
④政府が持ち出す、こと細かな計画には用心する
⑤予想家、株のアナリスト、エコノミスト、社会科学者、そういう連中とけんかしても時間の無駄だからやめておく

 

僕は今後、③番を特に重要視したいと思ってます。

現在は脱サラのため、生活費となりそうな事業にいろいろ手を出していますが、「いけそう」「運が付いていそう」と思われるものを発見したら、そこに時間とお金を一気につぎ込んで、そのチャンスを逃さないようにしたいと思います。

世の中に騙されたくない人にオススメ

下巻も上巻と同様、理論や物事が、正しくないことが多い事例を説明しています。

 

とにかく、騙されないことです。

一見正しいように見えることが本当に正しいかどうかをよく考えて行動すべきだと思います。

そのような訓練を行うという意味でも本書をオススメしたいと思います。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①チャンスを待つ

インターネット時代は、大企業に支えてもらわなくても、個人でも成功する可能性が高くなっていると思います。

 

出版業界に頼らなくても、ブログで執筆を行いファンを集う。

芸能界やテレビ業界に頼らなくても、YouTubeで動画を公開しファンを集う。

 

とにかく自身で行動を起こし、運が回ってくるまで待っておく戦略で良さそうです。

 

オンライン書店は無限大に近い数の本を抱えられる。実際に印刷するまでは電子情報の形で保管しておけるので、物理的に在庫を持たなくていいからだ。
‥そういうわけで、ちょっとした本を書いたら、検索エンジンにヒットするようにしておいて、じっと座ってチャンスが来るのを待っていればいい。いつか時が来て流行るのを待つのだ。

ブラック・スワン 下 不確実性とリスクの本質

 

将来何が起こるかわかりませんからね。

 

あまりよろしくない例ですが、芸能人が不祥事を起こすと、過去の芸能人の動画やブログ記事のアクセスが急増しているのを何度も見ています。

これは「運」だと思います。

それが起こる前にその芸能人に関する動画や記事を作っておいた人だけが、この「運」をつかんだわけです。

 

こういったことをするために、いろいろ準備(いろんな芸能人の記事を書いておくなど)しておくことが大事だと思ってます。

1つではなく、複数個用意しておくこと。

そうすれば、どれか1つが大ヒットすることがあるのだと思います。

 

僕はこの戦略で行く予定です。

 

2. 終わりに

上巻と下巻をとおして、世の中にあるこじつけの例をたくさん見てきました。

 

消費者目線でいうと、このようなこじつけ理論や法則に騙されないようにしたいと思ってますが、企業目線(提供者目線)でいうと、良い方向性として利用したいと思ってます。

 

人はこじつけが好き、つまり、ものごとには必ず原因があると思っており、その原因を語られるのが好きなのです。

 

「それは運だよ」と言われるだけなら、話が進みません。

そこでコミュニケーションは終わりです。

人はコミュニケーションを取りたい生き物なのかもしれません。

注目を浴びるには、もう少し話を進めていかないといけません。

そこで、原因を追求し、それっぽいものを見つけ、それっぽい説明をするのだと思われます。

 

それが良いものか悪いものかは、受け取り側が得をするか(何も変わらないか)、もしくは損をするかによるのだと思います。

「相手が損をしないのであれば、こじつけも悪くない」と思ってもいいのかもしれませんね。

 

このように、世の中にある法則や物事について語られる予測やそれっぽい説明が、実は正しくないことがあるということを知りたい人は、本書を手にとってみてください。

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