【49冊目】「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力(著者:森岡毅、今西聖貴)」

記事まとめ

  • 「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力(著者:森岡毅、今西聖貴)」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「ビジネスにおける消費者の行動は、数式により、実際の行動と近いところまでを予測することができ、それにより戦略を立てることで、ビジネスの成功確率を上げることができる」ということを学んだ
  • 数式を利用したビジネス戦略の実例を知りたい人に本書をオススメしたい

 

「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力(著者:森岡毅、今西聖貴)」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「数式を利用して、ビジネス戦略を立てるやり方と実例を教えてくれる本」です。

 

本書は、マーケティング用語や数式が出てくるため、多少読み応えのある本となってます。

ちなみに僕は、本書を読み終えるのに、293分(4時間53分)かかりました。

 

僕は脱サラを目指しているのですが、その中でマーケティングの本を読むことにハマっています。

脱サラ(起業)において、マーケティングのスキルは必須スキルだと思ってます。

 

マーケティング本の中で、2020年3月現在、一番好きな本は、本書著者「森岡毅」さんの「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」という本です。



おそらく上記の本は、今後、何度も読み返すことになると思ってます。

そして本書は、その同じ著者が書いた本だということで、今回手に取りました。

 

本書は「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」とは異なり、マーケティングの全般的な話というよりは、もっと踏み込んだ話になってます。

「数式」を利用して、消費者の行動などを予測し、ビジネス戦略に反映させ、成功確率をあげようという趣旨です。

 

著者が言っているように、100%の予測ができるわけではありませんが、予測のヒット確率を上げることができるという主張でした。

 

前提として、「なぜ売れているのか/売れていないのかを知らずに、闇雲にビジネスをしていても、成功を継続させたり、成功のために改善したりできないはずだ」ということがあります。

僕もその主張に賛成です。

 

確かに、世の中は不確定性が強く、予測はできないという考えもあります。

(僕が、以下のような本を読み続けて、懐疑的になっているだけですが‥)

 

ただ、ある程度の予測をし行動しないと、トラブルがあった時に、次にどう動けばいいかが分からなくなると思います。

なぜそこに行き着いたかがわからないと正しい方向へ方向転換できないでしょう。

 

そう言った意味で、ある程度の戦略を立てることは悪くないことだと思ってます。

そして、その戦略を立てる方法の1つが、「数式」を利用する方法だということです。

 

他にも戦略を立てる方法はいっぱいあると思いますが、その中の1つとして知っておくのもいいと思ってます。

ビジネスの種類は数え切れないほどありますので、どの方法が良い戦略を立てるに適しているか試してみないとわかりませんからね。

 

ちなみに、数式は分からなくても本書は読めます。

後半は数式の話が多く出てきますが、前半は数式は無視してもいいと著者も言ってます。

 

数式は透明性の担保のために載せているだけで本書の理解には関係ありません

 

このように、本書は、ビジネスの戦略を立てようと思っている人にオススメします。

 

それでは本記事で、僕が本書から学んだことをご紹介していきます。



 

1. 「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力(著者:森岡毅、今西聖貴)」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力(著者:森岡毅、今西聖貴)」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」です。

 

タイトルの「確率思考」は、数式にもとづき予測を立てることです

使われている数式は、「二項分布」「ポアソン分布」「負の二項分布」などです。

 

1-2. 著者について

著者は、「森岡毅」さんと「今西聖貴」さんです。

 

以下のウェブサイトを運営しているようです。

株式会社 刀

 

また、「森岡毅」さんのTwitterアカウントは見つけることはできませんでしたが、上記の会社のアカウントは以下となります。

株式会社刀/森岡毅 広報アカウント(@katana_PR)

 

「今西聖貴」さんのTwitterアカウントは見つけることができませんでした。

 

経歴

「森岡毅」さんの経歴については、本書によると以下のとおりです。

 

1972年生まれ、兵庫県出身。神戸大学経営学部卒。96年、P&G入社。日本ヴィダルサスーンのブランドマネージャー、ウエラジャパン副代表などを歴任。2010年にユー・エス・ジェイ入社。革新的なアイデアを次々投入し、窮地にあったユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させる。12年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、マーケティング本部長。

確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

 

「今西聖貴」さんの経歴については、本書によると以下のとおりです。

 

1953年生まれ。大阪府出身。米国シンシナティ大学大学院理数部数学科修士課程卒業。水産会社を経て、83年、P&G入社。日本の市場調査部で頭角を現し、92年、P&G世界本社へ移籍。世界各国にまたがって、有効な需要予測モデルの開発、世界中の市場分析・売上予測をリードし、量的調査における屈指のスペシャリストとして長年にわたり世界の第一線で活躍。12年、盟友・森岡毅の招聘によりユー・エス・ジェイ入社。現在シニアアナリストとして活躍中。

確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

 

本書は、マーケッターとアナリストが書いた本となります。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
第1章 市場構造の本質
第2章 戦略の本質とは何か?
第3章 戦略はどうつくるのか?
第4章 数字に熱を込めろ!
第5章 市場調査の本質と役割
- プレファレンスを知る
第6章 重要予測の理論と実際
- プレファレンスの採算性
第7章 消費者データの危険性
第8章 マーケティングを機能させる組織
巻末解説1 確率理論の導入とプレファレンスの数学的説明
巻末解説2 市場理解と予測に役立つ数学ツール
終章 2015年10月にUSJがTDLを超えた数学的論拠

 

「です・ます調」

本書は、「だ・である調」ではなく、「です・ます調」です。

本ブログのような「○○です。」という文です。

 

マーケティング用語や数式が多少出てきますので、少しだけ読み応えがある本となってます。

 

概要

本書は仕事に関する本です。

仕事の中でも、「マーケティング」がテーマです。

また、マーケティングの中でも、数式を使って消費者の行動予測や市場調査をすることを説明しています。

 

2人の著者が、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンやP&Gに所属していたこともあり、それらの会社における実例が多いです。

つまり、テーマパークや化粧品の話になるため、想像しやすくなってます。

 

プレファレンス(好み)に焦点を当てる

本書を一貫して出てくる言葉は「プレファレンス」です。

 

つまり、マーケティングにおいて、「消費者視点になって、消費者の好みに焦点を当てなさい」ということです。

 

プレファレンス(消費者の好み)の定義については、以下のとおりです。

 

プレファレンスとは、消費者のブランドに対する相対的な好意度(簡単に言えば「好み」)のことで、主にブランド・エクイティー、価格、製品パフォーマンスの3つによって決定されています。プレファレンスが市場構造を支配するのは、小売業者も、中間流通業者も、製造業者も、最強の存在である最終購買者(消費者)に従わざるを得ないからです。

確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

 

このプレファレンスが、商品カテゴリーやブランド間の関係を支配していることを数式(ポアソン分布やガンマ分布)によって証明されます。

 

補足:数式は理解しなくても本書を読み進めることは可能
・上記のように、数式は、著者の主張を証明するために使っています。
・本書を読んで納得したら、自身のビジネスに数式を利用すればいいと思いますが、本書を読み進める際は、数式の理解は必要ないです。

 

数式による証明により、「ビジネス戦略はプレファレンスに焦点を当てろ」という結論になってます。

 

ここまで、カテゴリーも、ブランドも、ブランド間の関係も、消費者のプレファレンスによって支配されていることを確認してきました。これらを結論づけると、「市場競争とは、1人1人の購入意思決定の奪い合いであり、その核心はプレファレンスである」という真理に辿りつきます。

確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

 

具体的には以下のとおりです。

 

市場の大きさは下の式で計算できます。

市場の売上
= 延べ購入回数 × 1購入当たりの平均購入個数 × 平均単価

ここで競合と奪い合っているのは、延べ購入回数におけるシェアです。1購入当たりの購入個数や平均単価において、直線的な奪い合いが起こっている訳ではありません。すなわち、我々は購入意思決定の争奪戦を行なっているのです。購入意思決定は、そのカテゴリーにおける消費者が持つ相対的なプレファレンスによって決まっています。

確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

 

上記のように導き、プレファレンスの重要性を説いてます。

 

プレファレンスを決定する3つの要素

プレファレンスは、「ブランド・エクイティ」「価格」「製品のパフォーマンス」の3つによって決まるようです。

 

この中でブランド・エクイティの実例を2つ紹介します。

ちなみに、ブランド・エクイティの意味は、Wikipediaによると以下です。

 

あるブランドが持っている資産価値のことをブランド・エクイティという。

 

P&G「アリエール」
・P&Gの洗剤「アリエール」が、花王の「アタック」が優勢で所有する「白さ」というエクイティーを奪うために、「除菌もできる」という付加便益をつけた
・「除菌もできるのが本当の白さ」と謳った

 

資生堂「TSUBAKI」
・TSUBAKI登場の数年前、茶髪や金髪ブームに飽きた頃合いに、花王から「アジア人の黒髪こを美しい」としたアジエンスという新ブランドが登場
・西洋の憧れをイメージにしているブランドからの差別化により大成功
・TSUBAKIは、アジエンスのポジショニングからさらに焦点を絞った、「日本の女性は美しい」というポジショニングで勝負
・実は他のアジア人と一緒にされたくないというインサイトがあった多くの日本女性の中で、TSUBAKIへのプレファレンスが高く、大成功した

 

このように、著者が今まで見聞きした事例も紹介され、著者の主張を補足していきます。

 

数式が頻繁に出てくるわけではない

以上のように、すべての話に数式を使っているわけではありません。

上記のブランド・エクイティーの例は、数式は関係ないです。

 

数式を利用してプレファレンスが大事だと証明し、プレファレンスの中のブランド・エクイティーの成功例を示しています。

 

数式によりマーケティングの分析をし続けるような本ではないので、数学嫌いの人でも読めます。

 

ただ、本書後半の「市場調査」における話では、数式がかなり出てきます。

 

また、本書の付録では、「二項分布」「ポアソン分布」「負の二項分布」などを詳しく説明しています。

数学に興味がある人は読んでみると面白いかもしれませんし、自社のビジネスにおいて、数式を当てはめてみたいと思った人は、利用できると思います。

 

マーケティングの仕方を学びたい人にオススメ

マーケティングは、「製品を売れるようにすること」だけでなく、「売れる製品を作ること」でもあるようです。

 

そのため、起業を考えている人や、会社の経営者にもマーケティングのスキルは必要だと思います。

 

そのマーケティングの方法の中で、数式を使う話が本書です。

 

もし、ビジネスにおいて、今までのマーケティング方法がうまくいかないのであれば、本書の数式を使った方法を試してみるのも悪くないのではないかと思ってます。

製品やサービスによって、マーケティングの仕方は違うと思いますので、数式が合致する製品/サービスを提供している可能性は0ではないでしょうからね。

 

このように、数式を使ってマーケティングをする方法を知りたいと思っている人に、本書をオススメしたいと思います。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①表面上ではなく、本質的な原因を探す

何か悪い結果を引き起こした時、「なぜ」を繰り返すことが重要だということは、職場でよく言われることだと思います。

本書でも同じことを語っており、「なぜ」を繰り返すことで、本質的な原因を探すように主張してます。

 

例えば、私がかつてやっていたシャンプーのビジネスで、シェアが下がってしまった場合を考えてみましょう。シェアが下がったというのは結果というか現象に過ぎません。そこでマーケターはデータを分析し、シェア下落の原因として競争他社に対して平均価格が上がってしまったことを発見します。しかし「平均価格が上がってしまった」ことも現象に過ぎないのです。平均価格が上がってしまった原因を追究せねばなりません。

確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

 

「なぜ」の繰り返しが浅く、「現象」を本質的な原因ととらえるミスは多く発生しそうな気がします。

 

「なぜ」で突き止めたことが、本質的な原因でなければ、その対策は、おそらくムダに終わるでしょうから、気をつけたいと思います。

 

②製品の内容だけが消費者を喜ばすものではない

僕は元ネットワークエンジニアで、技術職だったので、「製品/サービスがよければ、売れるだろう」と思ってしまいます。

ただ、世の中を見ると、製品自体にはあまり差がないと思ってます。

 

インターネット回線、携帯電話回線、携帯電話、パソコン‥

 

製品が似たような状況でも、消費者の好み(プレファレンス)をくすぐる例がありましたので紹介します。

製品の内容量の違いでも良いという例です。

 

1987年当時、洗剤の主流サイズは4.1kgの粉末洗剤でした。‥そうした中、花王がコンパクト洗剤「アタック」を新商品として発売したのです。最初に売り出されたアタックの主要サイズは60回分(1.5kg)で、小売価格は、デカサイズの実売価格900円より少し安い870円に設定されていました。
‥当時のマーケット・リーダーはライオンの「トップ」でしたが、瞬く間にアタックは60%のシェアを獲得してNo.1ブランドになったのです。
‥アタックは消費者に非常に有益かつ便益(強力な洗浄力、軽くて持ち運びやすい)を提供することで圧倒的なプレファレンスを築いたのです。

確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

 

製品の内容にとらわれすぎると、「よごれを落とす力」のみに注力しそうです。

 

ただ、消費者は、「商品の購入」「自宅への運搬」「使用」「パッケージの廃棄」「環境への影響」などのサイクルを回っているため、これらのどこかに当てはまることでも嬉しいわけです。

消費者視点で考えるべきだということの良い例だと思いました。

 

ただ、上記の引用文は、時代によって対策が変わると思ってます。

 

インターネットで洗剤を購入することが当たり前になれば、「自宅への運搬」を考慮する必要がないので、コンパクトサイズよりデカサイズを求めるようになるのではないかと思います。

このように、時代の変化にも注意を払いながらビジネスをしないといけないと改めて感じさせてくれました。

 

2. 終わりに

モノを売るのは難しいと思うのですが、自分が分析して立てた戦略で、売れるようになり、会社が大きく成長したら、仕事がどんどん楽しくなるのではないかと思ってます。

そういう仕事をしたいものですね。

 

そのヒントを教えてくれるのが、マーケティングの本だと思っています。

だから、マーケティングの本を読むと、楽しいです。

 

ビジネスをしたいと思うようになります。

ある種、僕にとっては自己啓発本です。

行動を起こさせてくれる本ですからね。

 

数式には興味がなくても、マーケティングの方法論として、1つの例として読んでおくのも悪くないと思いますので、ぜひ本書を手に取ってみてください。

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