【35冊目】「哲学がわかる 形而上学(著者:スティーヴン・マンフォード)」

記事まとめ

  • 「哲学がわかる 形而上学(著者:スティーヴン・マンフォード)」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「形而上学とは、1つの問いに対し、考えを巡らせ、他者が納得いくような答えを出そうとすることだ」ということを学んだ
  • 形而上学で実践されている考え方の流れについて、本を読み進めながら理解したい人に本書をオススメしたい

 

「哲学がわかる 形而上学(著者:スティーヴン・マンフォード)」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「形而上学という学問がどのようなものであり、哲学者はどのように実践しているのかを教えてくれる本」です。

 

本書は、哲学の本であり、「○○であるが、〇〇ではない。そうなると、〇〇となる。しかし‥」のような、数学における証明のような文章が永遠と続きます

 

ただ、文章としては、現代語の文章となっているので、読みやすい本だと思います。

「われは〇〇である。なんじは〇〇か?」のような感じではないという意味です。

ちなみに僕は、本書を読み終えるのに、285分(4時間45分)かかりました。

 

僕が本書を手に取った理由は、「形而上学(けいじじょうがく)」という用語が、宇宙関係の本だったり、大学教授のマーケティングの本だったりによく出てきて、その都度、用語を調べるのですが、簡単な説明しか載っておらず、よく理解できなかったからです。

「一度しっかりと本を読んでみよう」と思っていたため、本書を読んでみました。

 

本書を読んだ感想ですが、形而上学とは、どういうことをするものなのかということは何となく理解できたように思います。

 

ただ、自分が形而上学を実践できるかというと、まったくムリだと思っています。

もう少し、哲学の本を読んでいきたいと思っています。

 

本書の流れとしては、ある問い(例えば、「机とはなにか」「円とはなにか」)に対して、その答えを見つけようと考えを巡らせていきます。

この考えは、過去の哲学者の考えだったり、著者の考えだったりします。

そういった考えについて、「こういう視点で考えると答えにならないのではないか?」というような反証をのべたり、結局、「現在も議論が続いています」と終わったりします。

 

僕はまだ哲学書を本書のみ(1冊だけ)しか読んでいないため、「哲学」を理解できていないかもしれませんが、現時点では、「哲学は、1つの問いについて、万人が理解できるような答えを作り上げることで、その答えについて、哲学者たちが意見をのべあって、1つの答えを導こうとし続ける学問だ」ととらえました。

 

今後、もっとたくさんの哲学書を読んでいくと、上記が間違っていて、正しいことがわかっていくかもしれません。

とりあえず、2020年3月の、1冊の哲学書を読んだだけの僕は、上記のように考えてます。

 

このように、本書を読むことで、まったく哲学というものを知らなかった人でも、何となく、自分なりに哲学を理解できるようになります。

 

話の展開は、頭で考えさせるような難しいものですが、文体としては読みやすい本でしたので、哲学や形而上学について知りたいと思っている初心者の人に、本書をオススメします。

 

それでは本記事で、僕が本書から学んだことをご紹介していきます。


1. 「哲学がわかる 形而上学(著者:スティーヴン・マンフォード)」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「哲学がわかる 形而上学(著者:スティーヴン・マンフォード)」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「哲学がわかる 形而上学」です。

 

タイトルの「形而上学」のとおり、哲学の中でも形而上学の話になります。

形而上学は、哲学のうちの1つのようです。

 

形而上学は、倫理学、論理学、認識論と並ぶ、哲学の伝統的な主要四部門の1つである。

哲学がわかる 形而上学

 

原著について

本書は翻訳本です。

原題は「Metaphysics: A Very Short Introduction」です。

 

「Metaphysics」とは形而上学のことのようですが、Physics(自然学)の後にくる(meta)という意味でつけられたようです。

 

「形而上学(Metaphysics)」は、もともとアリストテレスの「自然学(Physics)」の後に位置づけられた著作に [文字どおり「自然学の後に来る(meta)著作」という意味で] つけられた名前である。

哲学がわかる 形而上学

 


1-2. 著者について

著者は、「スティーヴン・マンフォード」です。

以下のウェブサイトを運営しているようです。

Stephen Mumford

 

Twitterアカウントは見つけることができませんでした。

 

経歴

「スティーヴン・マンフォード」の経歴については、本書によると以下のとおりです。

 

ダラム大学教授。リーズ大学で博士号取得。形而上学、心の哲学から、最近はスポーツの哲学も研究している。

哲学がわかる 形而上学

 

大学教授が書いた本となります。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
第1章 机とはなにか
第2章 円とはなにか
第3章 全体は部分の総和にすぎないのか
第4章 変化とはなにか
第5章 原因とはなにか
第6章 時間はどのように過ぎ去るのか
第7章 人とはなにか
第8章 可能性とはなにか
第9章 無は存在するのか
第10章 形而上学とはなにか

 

「だ・である調」

本書は、「です・ます調」ではなく、「だ・である調」です。

本ブログのような「○○です。」ではなく、「○○である。」という文です。

 

哲学の本ですが、「われ」とか「なんじ」とか、そういった文章は出てこず、読みやすい文体の本となっています。

 

概要

本書は、日常生活や仕事に関する本ではなく、哲学の本です。

僕は哲学者でもなく、哲学を学ぶ学生でもないため、趣味として本書を手に取りました。

教養を深めるためといってもいいかもしれません。

 

生まれてから35年経過していますが、今まで「哲学」の本は一度も読んだことがありませんでした。

 

ただ、読書(哲学以外の本)をしていると、「形而上学」とかいう用語がよく出てきます。

そのとき、読み進めるのに支障がなかったので、スルーしていたのですが、今回は「思い切って理解してみたい」と思い、本書を手に取りました。

 

本書は、「哲学者が形而上学をどのように理解し、実践しているかを初学者に紹介すること」を目指しているようで、確かに、初心者の僕としては読みやすい本でした。

 

形而上学とは?

本書の著者ではなく、翻訳者の解決の方が、形而上学の説明がわかりやすかったので紹介します。

 

形而上学というより、「形而下」と「形而上」の説明がありました。

 

大まかに言ってしまえば、形而下のものとは、一定の形をもち、見たり触ったりできるもの、つまり、私たちの経験的・自然的な世界のうちに属するもののことだと考えてよい。一方で形而上のものとは、なんらかの意味でそれを超えたもの、それに収まらない(より根元的な)もののことである。

哲学がわかる 形而上学

 

上記の引用文は、よくわからないと思います😅。

実は、本書を読み進んで最後に読むと、本書内で形而上学を実践した経験があるため、何となくわかるのです。

 

本書では、各章において、1つの問い(「机とはなにか」「円とはなにか」など:目次参照)に対して、以下のようなアプローチで話を展開していきます。

これが形而上学の1つの考え方(進め方)のようです。

 

形而上学の考え方(進め方)
(1) 実在世界がもつなんらかの一般的な特徴に着目する
(2) その特徴を説明するために仮説としていくつかの候補理論を挙げる
(3) それらの理論を、科学理論などの評価にも用いられるいくつかの基準(単純性、整合性、常識との合致、場当たり的でなさ、など)によって評価する
(4) その評価によって割り出した利点と難点のバランスを考慮することで、それぞれの理論が世界のあり方を正確に捉えている(真である)見込みがどれだけ高いかを見積もる

 

「(2)(3)の候補理論」を考えるのがメインだと思っています。

過去から現在までの、さまざまな哲学者が考え出した答えについて、それが真であるかを考えます。

 

本書を読む限り、この答えに対して、反対意見を証拠を見せながら示していくことが、哲学の1つのアプローチになっていると思っています。

 

「この理論では、〇〇の視点で考えるとうまく説明できなくなる。そのため、こういう考えではどうだろう。ただ、これもこういう視点だとうまく説明できない。だから、こういう考えが正しいのではないか」

 

こういう話の展開です。

ただ、最後の「正しいのではないか」という考えも、万人(哲学者たち)に支持されていないことが多いように見えます。

 

以下のように、「決着がつかない」ことはよく起こるようです。

 

すでに読者は、いくつかの説のあいだで結局は決着がつかないというこのパターンに気づいたことだろう。これは形而上学でしばしば起こることだが、このことは、未来の「可能的」哲学者たちがなすべき仕事が多く残されているということを示している。

哲学がわかる 形而上学

 

このように、答えに近づこうとしていくことが哲学だと感じました。

 

哲学は科学と似ている?

僕は最近、宇宙に関する本を読んでいるのですが、哲学者のアプローチは、物理学者(宇宙論者)のアプローチに似ていると思いました。

 

「仮説を立てて、検証して、証拠を見せて、納得させる」というアプローチです。

 

こちらについても、著者の説明がありました。

 

実在の特徴を理解しようとするという点では科学も同じだが、科学はそれを形而上学とは異なる仕方で行う。科学はある種の一般的な真理を求めるが、それらの真理は具体的である。これに対して、形而上学の探し求める真理は一般的で抽象的なものだ。

哲学がわかる 形而上学

 

哲学と物理学の違いは、求めるものが、「抽象的か」「具体的か」という違いのようです。

具体的なものを求めるから物理学は比較的わかりやすく、抽象的なものを求めるから哲学は比較的難しく感じるのだと思いました。

 

哲学(形而上学)は役に立つのか?

哲学が役に立つかどうかは、1章まるまる使って、説明しています。

ただ、僕はまだ理解できていません。

 

ものごとを、いろんな立場から見て、考え続けるということで、頭を鍛えるために役立ちそうだと感じたのですが、そのほかどのようなことが役に立つのかは、僕にはまだ理解できませんでした。

 

今後も哲学に関する本や哲学書を読んでいこうと思っていますので、知識を増やしてから、「哲学が役に立つのか」ということを考えてみたいと思ってます。

 

哲学関係の本を初めて読む人にオススメ

僕はまだ「プラトン」「アリストテレス」などの哲学者の本を読んでいません。

のちに挑戦してみようと思っていますが、まずは入門書的な本を読み続けようと思っています。

挫折したくないですからね😅。

 

本書は、読みやすい文体で書かれているため、入門書としては最適だと思います。

哲学(形而上学)の考え方を実践しながら学んでいきたいと思っている人に、本書をオススメしたいと思います。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①哲学者は単純さと客観的を好む

哲学者にはいろいろな人がいて、考え方もいろいろあります。

そのため、1つに絞ることはできないです。

ただ、「基本的にはこういう考えをする」という著者の説明があったので、今後哲学書を読むときのために、覚えておこうと思っています。

 

哲学者は複雑さより単純さを好む

哲学者は単純さを好むようです。

 

ここで、より単純でより経済的な理論のほうが複雑で非経済的な理論よりも正しい可能性が高い、と考える特別な理由はないけれども、哲学者が好むのは単純な理論である。たしかに、世界についての理論を構築するとき、その理論に余分なところがあるのを許容する理由はなにもないように思われる。

哲学がわかる 形而上学

 

複雑であることは、余分なところを含んでいる可能性が高いということでしょうかね。

単純な理論にして説明する方が、相手の哲学者を納得させやすそうです。

 

哲学者は客観的を好む

哲学者は、客観的な視点を大事にするようです。

 

つまり、ある観察者にとって「今である」ようにみえるもの、それが現在であると考えるのだ。しかし形而上学者の多くは、形而上学の探究主題がそのような仕方で人々の観点に依存することを望ましいとは考えない。形而上学者は、自分たちが問題にしているのは客観的で永久不変の真理なのであって、それは私たち人間のものの見方には影響されないのだ、という感覚を手放したくないのである。

哲学がわかる 形而上学

 

誰が考えても同じであることを答えにしようとしているので、客観的であることが大事なのは分かる気がします。

 

客観的ではない理論だと、相手の哲学者を説得させることは難しそうですね。

 

②プラトンとアリストテレスの違い

僕は、プラトンとアリストテレスの本を読んだことがないのですが、本書では、考え方の違いの説明がありましたので覚えておこうと思います。

 

プラトンはこの世を超えた世界を考え、アリストテレスはこの世を考えるような違いです。

 

プラトンはこの世を超えた世界を考える

プラトンは、「円とはなにか」という問いに対して、「円」は、この世ではなく、超越的世界にあるとしています。

 

プラトンの考えでは、私たちが見知っている円さのさまざまな個別例はすべて、本当の円さの不完全なコピーにすぎない。物的世界に存在している円いものはどれも、その円さに関して少なくともある程度は - どれだけその程度が小さくとも - どこか欠けているはずである。
プラトンは、完全な円が存在しているのは天上の超越的世界だ、と考えたのである。その世界は、ふつうの物体にあふれた、私たちの住まう物的世界を超えたところにある。この天上界には、あらゆる性質とあらゆる関係のコピーではない本体が、どちらもすべて含まれている。
プラトンは、そうした性質の真の姿をイデアと呼び、あらゆる存在者のなかでもっとも実在性の度合いが高いものだと考えた。

哲学がわかる 形而上学

 

上記引用文だけ読むと、理解に苦しむと思いますが、「円いとはなにか」という問いに対して、いろいろ考えるのですが、すんなりと理解できる答えが見つからずに、プラトンは上記の考えとなっています。

 

アリストテレスはこの世を考える

プラトンとは異なり、アリストテレスは、「円とはなにか」の答えは、「この世に存在するもので、天ではない」という意見のようです。

 

アリストテレス的な考え方にしたがえば、ある性質が存在するということは。現にその性質をもつものがあるということであり、数学的に定義されるような完全に円いものが現にないのだとすれば、完全な円さは私たちの世界に含まれる性質ではないのである。

哲学がわかる 形而上学

 

とりあえず、本書を読んだ時点では、プラトンとアリストテレスは、違う考えであったということを覚えておこうと思います。

 

今後、両者の著書を読むことで、同じような考えや全く異なる考えが見つかると思っています。

 

2. 終わりに

哲学書の1冊目としては、入門的でわかりやすい本に出会えたと思っています。

本当であれば本書を理解できるまで、何度も読み返すべきなのですが、僕は、いろいろな入門書を読んでいって、理解を少しずつ深めていくアプローチを取ろうと思います。

 

僕は飽き性なので、1つの本を繰り返し続けるというのが苦手です。

ただ、数ヶ月後に、同じ本を読むことについては、新鮮な気持ちで読むことができますので、必要により本書を改めて読み直そうと思います。

 

哲学(形而上学)について、実践しながら、その考え方や進め方を学びたい人は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

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