【26冊目】「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則(著者:フィリップ・コトラー)」

記事まとめ

  • 「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則(著者:フィリップ・コトラー)」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「マーケティングにおいて重要なことは、消費者に製品やサービスを推奨してもらうことだ」ということを学んだ
  • スマートフォン時代のマーケティングの考え方を学びたい人に本書をオススメしたい

 

「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則(著者:フィリップ・コトラー)」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「スマートフォン時代のマーケティングは、消費者を、製品やサービスを他人に推奨してもらえるように導くことが重要だということを教えてくれる本」です。

 

本書は、マーケティングの本であり、マーケティング用語が多少出てきます。

ただ、データ分析など細かい話よりは、どちらかというと、マーケティングにおける考え方に主眼をおいてます。

 

そのため、比較的読み進めやすいほうだと思います。

ちなみに僕は、本書を読み終えるのに、193分(3時間13分)かかりました。

 

本書は「マーケティング4.0」というタイトルですが、それより古い「マーケティング3.0」という本もあります。

以下でレビューしていますので読んでみてください。

 

「マーケティング4.0」は、基本的にマーケティング3.0を前提としていますので、「マーケティング3.0」の本を先に読んでおくことをオススメします。

 

マーケティング3.0はマーケティングの第三世代という意味です。

 

マーケティング3.0
・マーケティング1.0:製品中心の考え方(1950年代、1960年代)
・マーケティング2.0:消費者中心の考え方(1970年代、1980年代)
・マーケティング3.0:人間中心の考え方(1990年代、2000年代)

 

マーケティング4.0は、マーケティング3.0の人間中心のマーケティングをどのようにして実施すればよいのかを重点的に説明しています。

そのため本書は、「マーケティング3.0」の本よりも、マーケティング用語が多く出てきます。

 

僕は、マーケティング4.0というのは、「消費者に推奨してもらうことを導くマーケティング」だと解釈しました。

 

現代人は、スマートフォンにより、あらゆる情報を手に入れることができるようになっています。

企業が発する製品広告はほとんど信用されておらず、それよりも、家族や友人の話を信じるようになっています。

 

そのため、製品やサービスを購入した消費者や使用体験した消費者が、その製品やサービスを他人に推奨してくれるように導くことが大事になります。

 

その方法について、本書はさまざまな企業の実例を通じて、説明してくれます。

 

本書は、特定の業界におけるマーケティングテクニックの説明ではなく、マーケティングの考え方の説明が主なので、あらゆる業界に所属する人たちにオススメの本です。

 

それでは本記事で、僕が本書から学んだことをご紹介していきます。



 

 

1. 「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則(著者:フィリップ・コトラー)」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則(著者:フィリップ・コトラー)」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則」です。

 

タイトルの「マーケティング4.0」は、以下のように定義されています。

 

マーケティング4.0とは、企業と顧客のオンライン交流とオフライン交流を一体化させるマーケティング・アプローチである。

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

 

本書では、企業と顧客は上下の関係ではなく、横の関係になるべきだと説明されており、顧客がさらに別の顧客へ製品を推奨するような道筋を作っていくのが企業におけるマーケティングだということです。

つまり、推奨されやすいようにすることですね。

 

原著について

本書は翻訳本です。

原題は「Marketing 4.0: Moving from Traditional to Digital」です。

 

Moving from Traditional to Digital」というタイトルのとおり、本書では今までの伝統的なマーケティング手法からデジタルマーケティングに移行していくことを示しています。



 

 

1-2. 著者について

著者は、「フィリップ・コトラー」です。

 

以下のウェブサイトを運営しているようです。

PHILIP KOTLER

 

また、Twitterアカウントは以下のようです。

Philip Kotler(@kotl)

 

経歴

「フィリップ・コトラー」の経歴については、本書によると以下のとおりです。

 

ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院インターナショナル・マーケティングのS・C・ジョンソン・アンド・サン・ディスティンギッシュト・プロフェッサー。「近代マーケティングの父」として広くみなされている。

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

 

大学教授が書いた本となります。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
第1章 つながっている顧客へのパワーシフト
第2章 つながっている顧客に対するマーケティングのパラドックス
第3章 影響力のあるデジタル・サブカルチャー
第4章 デジタル経済におけるマーケティング4.0
第5章 新しいカスタマー・ジャーニー
第6章 マーケティングの生産性の測定指標
第7章 産業累型とベスト・プラクティス
第8章 ブランドの誘引力を高める人間中心のマーケティング
第9章 ブランドへの好奇心をかき立てるコンテンツ・マーケティング
第10章 ブランド・コミットメントを生み出すオムニチャネル・マーケティング
第11章 ブランド・アフィニティを築くためのエンゲージメント・マーケティング

 

「だ・である調」

本書は、「です・ます調」ではなく、「だ・である調」です。

本ブログのような「○○です。」ではなく、「○○である。」という文です。

 

大学教授の本で、マーケティング用語がバンバン出てきて難しそうに思うかもしれませんが、マーケティング用語は一部しか出てこないのですし、きちんと説明がありますので、読み進めやすいと思います。

 

概要

本書は、日常生活ではなく、仕事に関する本です。

仕事の中でも、主にマーケティング関係の本です。

 

「マーケティング3.0」という前回の本とは違い、多少データ分析の話が出てきます。

顧客が推奨してくれたかどうかを数値的に分析する部分です。

ただ、本書全体ではなく、1章程度です。

 

それよりは、やはり、マーケティングを行う際に知っておいた方がいい、「考え方」を主に説明しています。

 

マーケティング4.0とは?

マーケティング3.0の説明はわかりやすく、以下のとおりです。

 

マーケティング3.0
・マーケティング1.0:製品中心の考え方(1950年代、1960年代)
・マーケティング2.0:消費者中心の考え方(1970年代、1980年代)
・マーケティング3.0:人間中心の考え方(1990年代、2000年代)

 

マーケティング4.0は、上記のマーケティング3.0に含まれるようなイメージだと解釈しました。

マーケティング3.9のようなイメージでとらえてます。

 

本書では以下のような説明です。

 

要するに、『マーケティング4.0』は、カスタマー・ジャーニーのあらゆる面をカバーするために、人間中心のマーケティングをどのように深化、拡大すればよいかを記した本である。

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

 

カスタマー・ジャーニーとは、「製品サービスを知った顧客が購入・推奨に至るまでの道筋」のことのようです。

 

マーケターの役割は、認知(awareness)から最終的に推奨(adbocacy)に至るまで、カスタマー・ジャーニーの間中、顧客の道案内をすることである。

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

 

つまり、製品やサービスを推奨してもらうために、顧客のハートに訴えていく方法を本書では説明してくれています。

 

現代の人々は、企業広告より他人の推奨で購入に至ることが多い

僕の経験でも、企業広告より他人の推奨(レビュー)で購入することが多いことに気づきました。

 

むしろ、企業広告や製品を実際に見たり触ったりすることなく購入していることが多いです。

 

だが、探究心や知識のレベルが上がっているにもかかわらず、何を買いたいと思うかを自分でコントロールしてはいない。
購買決定を下す際、顧客は基本的に3つの要因に影響される。第一に、テレビ広告、印刷広告、広報活動など、さまざまな媒体を通じたマーケティング・コミュニケーションである。第二に、友達や家族の意見である。第三に、過去の経験にもとづいた、特定のブランドに関する個人的な知識や態度である。
実際、今日の顧客は他社の意見に大きく依存するようになっている。

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

 

店頭で製品を確かめることがベストだと分かっているのに、忙しかったり面倒だったりして、製品レビューを比較して購入する人が多くなっているのかもしれません。

 

現代人は忙しいのだと思います。

 

こうなると、製品レビューや他人からの推奨がいかに重要かが分かってくると思います。

 

ただ、企業の広告は、あまり重要視されていないようです。

押し付けがましいような広告や製品の良いところしかアピールしない広告は、信用されない傾向にあるようです。

 

かつては、企業がさまざまな広告媒体を通じて自社のメッセージを発信するのが一般的だった。他社よりも目立ち、自社のブランド・イメージを維持すべく、本当の差別化とは言いがたい差異をつくり出す企業もあった。その結果として、ブランドは往々にして本当の価値ではなく、見てくれだけをよくする単なる包装とみなされるようになり、虚偽の表示がまかり通ることさえあった。この手法はもはや有効ではない。顧客はコミュニティの助けを得て、自分たちをターゲットにする悪いブランドから身を守るようになっているからだ。

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

 

どんなに良い製品だとアピールしても、SNSなどの口コミ情報で、すべてバレてしまいます。

 

そのため、良い製品を作ることや良いアフターケアをすることは大前提です。

それを踏まえて、自社による製品アピールだけでなく、購入者や購入検討者が推奨してくれるような仕組みを作っていくことが重要だということです。

 

本書で示されていたブランド推奨のための3つのセグメント

製品を推奨してくれやすいであろう3つのセグメントが説明されておりました。

それは「若者」と「女性」と「ネティズン(ネット市民)」です。

 

マーケターは、推奨を得る可能性を高めるために、若者(youth)と女性(women)とネティズン(netizen)(YWN)に力を集中するべきだ。
かつて、権威や権力はまぎれもなく年配者と男性と主流の市民のものだった。彼らのほうが所得レベルや購買力が伝統的に高かったからだ。だが、時とともに、若者、女性、ネティズンの重要性と影響力が大幅に高まってきた。

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

 

「若者」については、日本では当てはまらないかもしれませんが、世界的に数が増えているようです。

また、「若者」は、流行に敏感で、新しい製品やサービスをすぐに使ってくれます。

そのため、「若者」にアピールすることは、推奨につながりやすいことになります。

 

「女性」は、製品を購入する時、よく検討するようです。

情報を集めるため、企業の広告やマーケティング活動もしっかり見てくれるようです。

そのため、「女性」にアピールするのは、企業としてはやりやすいことになります。

 

「ネティズン」は、ネット市民のことで、オンラインで他者とつながり、情報を共有することに長けている人のことです。

インターネットの発展のため、情報公開や情報共有を積極的にしてくれるため、「ネティズン」も推奨につながりやすいことになります。

 

業界によって違うかもしれませんが、上記の3つのセグメントに属する人たちに向けてマーケティング活動を行うと、推奨される可能性が大きくなるかもしれません。

 

マーケティングの考え方を学びたいと思っている人にオススメしたい

以上のように本書では、スマートフォン時代のマーケティングの考え方を教えてくれます。

 

どの業界であっても、消費者はスマートフォンを持ち、SNSやブログなどで、製品レビューをする人が存在していることでしょう。

 

この人たちに対して、企業や製品を、「良い」方でレビューしてくれることが重要な時代です。

 

本書では、良い方向のレビュー(推奨)をしてもらうための方法や考え方が示されていますので、自社でも実践したいと思っている人にオススメできる本だと思います。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①企業と顧客は上下の関係ではなく、横の関係であること

企業が上から目線で、顧客に対して情報を与えるようなアプローチ方法はあまり好まれない世の中になっているようです。

 

「ターゲット」であるがゆえに、顧客はともすると、自分たちに向けられたどうでもいいメッセージにずかずかと割り込まれ、わずらわしいと感じる。多くの顧客が、ブランドからの一方的なメッセージを迷惑なものとみなしている。
デジタル経済では、顧客はコミュニティの横のネットワークの中で互いに社会的につながっている。

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

 

実社会では敬語も使うし上下関係が当たり前にありますが、ネット社会の中では、敬語を重要視していないように思います。

もっとフランクに話している印象です。

そもそも、敬語を文字として打ち込むのが面倒なだけかもしれません。

 

そうなると、雰囲気的に、上下関係ではなく、全員が横の関係になっているように思います。

ただし、僕はインフルエンサーなどは上にいるような気がしてます😅。

 

大半は横のつながりですかね。

そのため企業は、横のつながりであることを意識して、個人に近付かないと、コミュニティに入れてもらえないということです。

 

顧客コミュニティと効果的に関わるためには、ブランドはパーミッション(許可)を求めなければならない。‥パーミッションを求めるとき、ブランドは餌をぶらさげたハンターとしてではなく、力になりたいと心から思っている友達として行動しなければならない。

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

 

「友達」「力になりたい」と思ってもらうような行動ですね。

これは良いことを学びました。

 

②顧客は「人」だということを忘れない

企業から見ると顧客は「個人」ではなく、「団体」として見てしまいます。

そうすると、「集合体」ととらえてしまい、「人」であることを忘れてしまいます。

 

相手は「人」であり、企業もまた「人」が運営しているということを忘れないようにしたいと思いました。

 

また「人」は、感情を抱くものであり、ハートに訴えることは重要だと思ってます。

 

ブランドが人間らしさを持つようになるにつれて、顧客エンゲージメントが真に重要になっている。それは企業と顧客の間の壁を打ち破り、友人としての両者のインタラクションを可能にする。

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

 

上記の引用文は少し難しいと思ったのですが、企業の実例が非常に参考になりました。

以下のようなサービスを受けると、その企業が好きになるだろうなと感じました。

 

リッツ・カールトンの例
・ホテル滞在中に子どものキリンのぬいぐるみが見当たらなくなったとき、両親はその子に、キリンは休暇に出かけたのだと嘘の説明をせざるをえなかった
・すると、リッツ・カールトンはその説明を裏づけるために労をいとわず、キリンが同ホテルで休暇を過ごしていることの証明文書をその子に送った

 

オンライン靴小売業のザッポスの例
・痛めた足に履く靴を見つけるのに苦労していた女性が、送料無料で返品できることで知られているザッポスに靴を6足注文した
・その顧客は2足を手元に残し、残りを返品することにした
・ザッポスのセールスパーソンは、電話で親しみのこもった会話をしたあと、見舞いの気持ちを伝えるために、その顧客に花を贈った

 

「やりすぎだ」と思うかもしれませんが、顧客側としてこのような対応をされると、非常に嬉しい気持ちになると思います。

おそらく、良い方向として、企業やサービスの推奨をしてくれると思います。

 

こういうことができる人や会社が、顧客から信用を得られ、長く応援され生き残っていくのだろうなと感じました。

 

③既存顧客を大事にする

僕のサラリーマン時代のイメージだと、企業は既存顧客より、新規顧客を大事にしていると思っています。

 

新規顧客を増やすための施策を中心に考え、既存顧客へのサービス増強などはあまり考えることはなかったように思います。

 

ただ、スマートフォン時代の現代は、新規顧客になる可能性がある人たちは、そういった情報を簡単に手に入れることができます。

 

あの企業のサービスは、アフターサービスがよくないらしい

 

このような情報を得た人は、どれだけ最初が安いサービスであっても、どれだけポイントをもらえるとしても、契約してくれないと思われます。

 

顧客を認知から行動まで進ませることに成功したら、マーケターはいわゆるセールス・サイクルを完了したことになる。ほとんどのマーケターが、カスタマー・ジャーニーにおけるこのセールス・サイクルの部分に、他の部分より力を入れるのは無理からぬことだ。しかしながら、顧客を行動から推奨に進ませることの重要性を過小評価してはならない。

コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

 

「推奨」を考えるのであれば、既存顧客にこそ、すばらしいサービスを提供し続けるべきだということです。

 

契約後にも新たなキャンペーンがあると嬉しいに決まっています。

 

多くの企業は、キャンペーンは新規顧客に対して実施していますが、他社との差別化を図るため、既存顧客に対するキャンペーンを増やすことは、1つの戦略になると思いました。

 

2. 終わりに

本書では「良い方」の推奨を得るための方法がいろいろ説明されていますが、企業は、「悪い方」の口コミが広がらない行動をとることも重要だと思います。

 

良くない口コミの例
「サービス残業が多いと噂のブラック企業」
「睡眠時間を削ることを社員に強いるという噂の企業」
「消費者の悪口をレシートに書き込んだ社員」

 

良いことよりも悪いことの方が、口コミの広がりは速いと思ってます。

 

どれだけ良いサービスを提供していても、少しでも悪いことが分かれば、一気にイメージが悪くなるということです。

これは企業という団体だけでなく、個人としても同じだと思います。

 

良い方向での推奨をしてもらえるように、日々の行動に注意していきたいと思います。

 

本書では、良い方向での推奨をしてもらうマーケティングの考え方や方法を学ぶことができますので、自社で実践しようと思っている人に本書を読むことをオススメします。

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