【25冊目】「コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則(著者:フィリップ・コトラー)」

記事まとめ

  • 「コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則(著者:フィリップ・コトラー)」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「マーケティングにおいて、良い製品やサービスを作るだけではダメで、環境問題への対応などの社会的責任に対する取り組みなども評価される時代になっている」ということを学んだ
  • 移り変わっていくマーケティングの考え方を整理し、今後の変化に役立てたいと思っている人に本書をオススメしたい

 

「コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則(著者:フィリップ・コトラー)」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「マーケティングの考え方が時代により移り変わってきており、良い製品やサービスを作るだけではダメで、SNSの時代は会社や社員が評価されるため、社会的責任に対する取り組みなどを取り入れる必要があるということを教えてくれる本」です。

 

本書は、マーケティングの本ですが、細かい数字の計算やデータ分析の話は出てきません。

どちらかというと、マーケティングにおける考え方に主眼をおいてます。

 

そのため、比較的読み進めやすいと思います。

ちなみに僕は、本書を読み終えるのに、252分(4時間12分)かかりました。

 

本書は「マーケティング3.0」というタイトルですが、実はそれより新しい「マーケティング4.0」という本も持ってます。

今回は、「マーケティング4.0」を読む前に、その前に語られていたことも読んでおきたいと思ったため、本書を手に取りました。

 

本書でいうマーケティング3.0はマーケティングの第三世代という意味です。

 

マーケティング3.0
・マーケティング1.0:製品中心の考え方(1950年代、1960年代)
・マーケティング2.0:消費者中心の考え方(1970年代、1980年代)
・マーケティング3.0:人間中心の考え方(1990年代、2000年代)

 

「人間中心の考え方」というのは、収益性と企業の社会的責任がうまく両立するということです。

 

確かに現代、会社が以下のようなことで罰せされたり、非難されたりするニュースがよく報じられています。

 

非難される出来事
・社員にサービス残業を強制する会社
・社員を超低賃金で雇う会社
・寝かせないほどの長時間労働を強いる会社

 

つまり、社会的責任が果たせていないと判断されると、会社の業績に大きく影響する時代だと思います。

SNSが発達して、個人が簡単に発言できるようになり、さらに、その口コミは全国に一瞬で伝わるようになっているため、企業はより行動に気をつける必要があります。

 

ただ逆に、良い行動をした時も、同じように伝わっていきます。

 

本書は、この良い行動、すなわち、環境問題への取り組みなどを行い、また、ミッションやビジョン、企業の存在価値を正しく示すことで、良い結果を生み出そうとする考え方を教えてくれます。

 

マーケティングにおける小手先のテクニックの説明ではないため、あらゆる業界に所属する人たちにオススメの本です。

 

それでは本記事で、僕が本書から学んだことをご紹介していきます。



 

1. 「コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則(著者:フィリップ・コトラー)」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則(著者:フィリップ・コトラー)」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則」です。

 

タイトルの「マーケティング3.0」は、以下のように定義されています。

 

過去60年の間に、マーケティングは製品中心の考え方(マーケティング1.0)から消費者中心の考え方(マーケティング2.0)に移行してきた。‥マーケティング3.0とは、企業が消費者中心の考え方から人間中心の考え方に移行し、収益性と企業の社会的責任がうまく両立する段階である。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

上記引用文のとおり、「企業の社会的責任」を世間に見てもらうような取り組み方が、本書では示されています。

 

原著について

本書は翻訳本です。

原題は「Marketing 3.0: From Products to Customers to the Human Spirit」です。

 

タイトルの「Human Sprit(人間の精神)」に訴えかけるようなマーケティングが必要であることを本書で説明しています。



 

 

1-2. 著者について

著者は、「フィリップ・コトラー」です。

 

以下のウェブサイトを運営しているようです。

PHILIP KOTLER

 

また、Twitterアカウントは以下のようです。

Philip Kotler(@kotl)

 

経歴

「フィリップ・コトラー」の経歴については、本書によると以下のとおりです。

 

ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院インターナショナル・マーケティングのS・C・ジョンソン・アンド・サン・ディスティンギッシュト・プロフェッサー。「近代マーケティングの父」として広く知られている。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

大学教授が書いた本となります。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
第1章 マーケティング3.0へようこそ
第2章 マーケティング3.0の将来モデル
第3章 消費者に対するミッションのマーケティング
第4章 社員に対する価値のマーケティング
第5章 チャネル・パートナーに対する価値のマーケティング
第6章 株主に対するビジョンのマーケティング
第7章 社会文化的変化の創出
第8章 新興市場における起業家の創造
第9章 環境の持続可能性に対する取り組み
第10章 まとめ

 

「だ・である調」

本書は、「です・ます調」ではなく、「だ・である調」です。

本ブログのような「○○です。」ではなく、「○○である。」という文です。

 

大学教授の本で、マーケティング用語がバンバン出てきて難しそうに思うかもしれませんが、マーケティング用語はほとんど出てこないので、読み進めやすいと思います。

 

概要

本書は、日常生活ではなく、仕事に関する本です。

仕事の中でも、主にマーケティング関係の本です。

 

ただし、具体的なマーケティング手法、つまり数字やデータ分析など細かなテクニックは出てきません

そういったものではなく、マーケティングを行う際に知っておいた方がいい、「考え方」が説明されています

 

マーケティングは時代により変わっている

2020年現在もマーケティングの方法は変えていく必要があり、本書の内容にそぐわないようになっていくのだと思います。

 

本書は知識としてそのまま得るというよりは、考え方を学び、時代に合わせて変化できるようになるために読むべき本だと思っています。

 

本書では、3つの時代を説明していますが、今はどのような時代になっているか、今後はどのような時代になっていくかを、自分で考えられるようになるべきだと思いました。

 

簡単に言うと、マーケティングは製品管理、顧客管理、ブランド管理という3つの大きな柱を軸に発展してきた。というより、1950年代、60年代の製品管理中心の概念から、70年代、80年代に顧客管理中心の概念に進化し、その後さらに進化して、1990年代から2000年代にかけてブランド管理という柱が新たに加わったのだ。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

2020年代が「どのようなものを管理する時代になっているのか」という視点で考えてみると、マーケティングのやり方がわかってくるかもしれませんね。

 

企業が消費者ではなく、人間全体、社会全体に貢献していくことを示す

本書でいいたいことは、「企業の社会的責任の重要性」です。

 

単に、製品やサービスを作って、買ってくれた人(消費者)を満足させればいいという話ではなく、社員、パートナー、株主は当たり前として、さらに社会全体の人々に対して、満足させる(不満を持たせない)必要があると学びました。

 

SNSの時代は、自社にまったく興味がない人であっても、関心を抱く時代です。

良い意味であっても、悪い意味であっても、注目されてしまいます。

普段の行動に対して、いかに注意を払う必要があるかということを学びました。

 

消費者志向のマーケティング2.0と同じく、マーケティング3.0も消費者を満足させることをめざす。だが、マーケティング3.0を実行している企業は、より大きなミッションやビジョンや価値を持ち、世界に貢献することをめざしている。社会の問題に対するソリューションを提供しようとしているのである。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

製品やサービスが良ければ、「社員を奴隷のように扱ってもいい」「環境を汚染してもいい」という時代ではないということです。

そういうことが通用しない時代であることを示しています。

 

本書で書かれていること

本書で書かれていることは以下のとおりです。

 

本書は大きく三部に分かれている。第1部では、人間中心のマーケティングを必然にし、マーケティング3.0の基礎をつくる重要なビジネス・トレンドを概説する。第2部では、企業が自社のビジョンやミッションや価値をおもなステークホルダー - 消費者、社員、チャネル・パートナー、株主 - それぞれにマーケティングするにはどうすればよいかを説明する。第3部では、病気、貧困、環境破壊などのグローバルな課題を解決するためのマーケティング3.0の重要な実践例を紹介し、人間中心のビジネスモデルを実行することで企業がどのように貢献できるかを解き明かす。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

上記の引用文のとおり、「病気、貧困、環境破壊などのグローバルな課題を解決する」ような活動がマーケティング3.0では必要になるということです。

すべてをやる必要はありませんが、企業が社会の一員として、社会問題にどのように立ち向かっているかを示すことが重要であると本書では説明されています。

 

マーケティングの考え方を学びたいと思っている人にオススメしたい

マーケティングというのは、テクニックだと思っていましたが、本書では考え方も重要だと教えてくれました。

むしろ、その考え方があって、テクニックが作られていくのだと思います。

 

テクニックは業界によっても違うのでしょう。

ただ、考え方は、どの業界でも共通なのかもしれません。

 

そうであれば、まずは考え方を学ぶ必要があると思ってます。

 

本書は、小手先のマーケティングテクニックの本ではなく、考え方の本ですので、あらゆる業界の人にオススメできる本だと思います。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①ミッション、ビジョン、価値の掲げ方

企業が社会にどのように貢献しているかを示す方法として、「ミッション」「ビジョン」「価値」をホームページなどで掲げることは重要のようです。

 

マーケティング3.0は、企業のミッションやビジョンや価値に組み込まれた意味をマーケティングすることでもある。‥マーケティングはもはや、単なる販売やツールを使った需要の創出をみなされるべきではない。マーケティングは、今では企業が消費者の信頼を取り戻すための、もっとも重要な頼みの綱とみなされるべきなのである。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

上記引用文で「消費者の信頼を取り戻す」と記載がありますが、今までのマーケティングでは、消費者に悪い面を見せないで良い面を見せ続けるようなマーケティングで、騙したような感じになって、信頼を落としたということで、それを挽回しようということでした。

 

こういう「ミッション」「ビジョン」「価値」が大事なのはわかりますが、作るのは難しいと思ってます。

本書で書き方のコツのようなものが示されていましたので紹介します。

 

ミッションの作り方

まずはミッションの作り方です。

 

ミッションを自社の事業内容を言い表すものと定義する人がいるが、ダイナミックなビジネス環境では事業範囲の定義はどんどん変わることがある。そのため、われわれはミッションをもっと長続きする表現で「その企業の存在理由」と定義することにする。ミッションは当該企業が基本的に何のために存在するのかを表すものであり、企業は自社のミッションをできるかぎり基本的なレベルで言い表すべきである。それによって企業の持続可能性が決定されるからである。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

例としては以下です。

 

S・C・ジョンソン社のミッション
コミュニティの幸福に貢献するとともに環境の維持・保護に努める

 

ティンバーランド社のミッション
よりよくする

 

ビジョンの作り方

続いて、ビジョンの作り方です。

 

ミッションが企業の創業時という過去に根ざしているのに対し、ビジョンは未来を生み出すためのものである。ビジョンは企業の望ましい未来像を描き出したものと定義することができる。つまりどのような企業になり何を達成したいのかを説明するものなのだ。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

例としては以下です。

 

S・C・ジョンソン社のビジョン
持続可能性の原則に従って人びとのニーズを満たす革新的なソリューションを提供するという面で世界のリーダーになる

 

ティンバーランド社のビジョン
企業の社会的責任の面で、世界中で21世紀の模範企業になる

 

価値の作り方

最後に、価値の作り方です。

 

それに対し、価値は「企業組織としての行動規範」とみなすことができる。‥価値は企業が何を大切にしているかを言い表すもので、経営陣はそれを自社の業務のやり方に組み込もうとする。そうすることで会社や会社内外のコミュニティに役立つ行動が強化され、ひいては価値が強化されることを、経営陣は期待するのである。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

例としては以下です。

 

S・C・ジョンソン社の価値の持続可能性
われわれは経済的価値を創造する
われわれは環境の健全さを追求する
われわれは社会の進歩を推進する

 

ティンバーランド社の価値
人間らしさ
謙虚さ
誠実さ
卓越

 

当然、実現しないと意味がない

当たり前ですが、「ミッション」「ビジョン」「価値」を掲げて、それらにのっとった行動をしないと意味がありません。

 

自社でできることをよく考えて作っていく必要があると思います。

 

②人を納得させたいならストーリーをつくる

人々を納得させる方法が書かれていましたので紹介します。

 

高名な脚本家、ロバート・マッキーによれば、人びとを納得させるには二つの方法がある。ひとつは事実や数字に基づいて考えをまとめ、人びとを知的な議論に引き込むこと。もうひとつは、それらの考えを軸に感動的なストーリーをつくって人びとの感情をつかむことで、二つ目のほうがはるかに効果的だとマッキーは言う。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

iPhoneやiPodを世界に広げたスティーブ・ジョブズは、上記引用文の2つ目のストーリーをつくる方法を使っていたようです。

 

ただ、こういったストーリーを作るのは難しいと思います。

本書では、「日常生活を置き換えて作るとよい」というアドバイスがありました。

 

ビジョンを描けるリーダーは、その大多数がストーリーを捜索するわけではない。日常生活の中に漂っている、利用できるストーリーを見つけるだけだ。ほとんどのストーリーはすでに世の中に存在しているのであり、だからこそ人びとにとって意味があると感じられる。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

まったく新しいオリジナルのストーリーより、すでに世間が知っているストーリーを改変したほうが、確かにイメージさせやすいのかもしれません。

 

自身が伝えたいことを載せやすいストーリーを探し、それを自分の言葉に置き換えながら、全体のストーリーの流れを維持するような作り方が良いのだと思ってます。

 

③パートナーとは、縦ではなく、横の関係を築く

僕がサラリーマン時代に、できていなかったと思うことが書かれていましたので紹介します。

企業における、パートナーの作り方です。

 

本書では、企業パートナーとは、横の関係を築くことが重要だと説明しています。

 

ラッカムとフリードマンとラフは、共有価値の重要性を強調し、パートナーシップが成功するかどうかを決定づける3つのおもな評価事項を指摘した。第一に、両者がともにウィン-ウィンの結果を望んでいるかどうかを、パートナーシップの双方の主体がきちんと検討する必要がある。望ましいパートナーシップは縦の関係ではなく横の関係を生み出す。それぞれの主体がその協働から公平な利益を得る必要がある。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

サラリーマン時代、パートナーと組むことは何度もありましたが、どうしても自社を立場上、上に持っていこうとしていました

 

契約書においても、自社に有利な契約を結ぼうとし、逆に不利な項目を排除しようとしていました。

そこしか見てなかったような気がします。

経営者や上司からも、リスクを考え、不利な条項がないかをよく確認するよう指示されていました。

 

ここは考え直さないといけないと思いました。

リスクのことばかり考えるのではなく、ウィン-ウィンの契約になるようにすることを考えないと、自社とパートナーが合わさった、強力なパワーが作られないと思われます。

 

ちなみに、上記引用文の、「3つのおもな評価事項」の残りの2つも紹介しておきます。

 

第二に、両者がともに高い品質基準を維持しているかどうかを、それぞれのビジネス主体が調査する必要がある。品質に対して同じ姿勢をとっている企業は、パートナーシップを築ける可能性が高い。最後に、それぞれのビジネス主体がパートナー候補の独自の価値を見きわめて、自社の価値と両立するかどうかを判定する必要がある。

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

 

本書では、自社とパートナーの考え方が異なる場合の失敗例が載ってました。

 

確かに、何かトラブルが発生した時に、「何に価値を置くか」が異なれば、解決に向かわないかもしれません。

 

「今に価値を置く企業」「将来に価値を置く企業」「消費者に価値を置く企業」「株主に価値を置く企業」など、いろいろありますが、自社とパートナーが真逆を向いていたら、解決できないでしょう

 

こういうことを考えてパートナー選びをすべきだと感じました。

 

2. 終わりに

マーケティングの本は、テクニックも大事ですが、考え方はもっと大事だと思ってきました。

 

テクニックは、考え方をもとに作られるからです。

 

まずはマーケティングにおける考え方を頭の中に入れ、世間の変化や自社ができることを踏まえ、それにより、テクニックを駆使してマーケティングをするという流れが大事だと思ってます。

 

本書では、「マーケティングの考え方」を学ぶことができますので、テクニックの本を読む前に本書を読むことをオススメします。

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