【81冊目】「ドラッカーと生産性の話をしよう(著者:林 總)」

記事まとめ

  • 「ドラッカーと生産性の話をしよう(著者:林 )」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「生産性を向上させるためには、仕事内容を分析することから始めないといけない」ということを学んだ
  • 仕事における生産性を向上させたい人に本書をオススメしたい

 

「ドラッカーと生産性の話をしよう(著者:林 )」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「物語形式で、ドラッカーの言葉を引用しながら、仕事における生産性の高め方を教えてくれる本」です。

 

本書は、組織や団体におけるマネジメントの本ですが、物語形式で進んでいくため、読みやすい本となってます。

ちなみに僕は、本書を読み終えるのに、2時間21分かかりました。

 

2020年5月現在、ドラッカー関係の本を読みあさってます。

本書を読む前に、同じ著者の「コミック版 ドラッカーと会計の話をしよう」を読み、それが面白かったため、本書を手に取りました。

 

ドラッカー関係の本の中には、少し難しくて理解しにくいドラッカーの本を解説する本がたくさんあります。

僕は何冊かそのような本を読んでます。

 

それぞれの本は、ドラッカーの本の1つ1つの言葉を引用して、その解釈を説明するようなスタンスです。

ただ、僕としては、今まで読んだ本よりも、より実践に使いやすい本だと感じました。

 

会計の話(キャッシュフロー)から始まり、生産性を上げる方法について説明しているのですが、その内容が、すぐにでも実践したいと思うような話でした。

 

そのため、ドラッカーの言葉の解釈を知りたいという人だけでなく、単純に、仕事における生産性をあげるにはどうすればよいか悩んでいる人に本書をオススメします。

 

それでは本記事で、僕が本書から学んだことをご紹介していきます。



ちなみに本書を読む前に読んだ「コミック版 ドラッカーと会計の話をしよう」は以下です。

マンガなのでさらっと読めます。



 

1. 「ドラッカーと生産性の話をしよう(著者:林 )」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「ドラッカーと生産性の話をしよう(著者:林 )」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「ドラッカーと生産性の話をしよう」です。

 

タイトルの「ドラッカー」のとおり、経営学者であるドラッカーの本に関する本です。

本書は、特定の(1冊の)ドラッカーの本を題材にしているわけではなく、さまざまなドラッカー本の言葉を引用しています。

 

1-2. 著者について

著者は、「林 」さんです。

 

以下のウェブサイトを運営しているようです。

公認会計士 林

 

運用しているTwitterアカウントは見つけることができませんでした。

 

経歴

「林 」さんの経歴については、本書によると以下のとおりです。

 

公認会計士、税理士、明治大学大学院特任教授(管理会計)。外資系会計事務所、監査法人勤務を経て独立。現在、経営コンサルティング、執筆、講演を行っている。

ドラッカーと生産性の話をしよう

 

本書は、公認会計士が書いた本です。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
プロローグ フライト直前の鼓動
- 懐かしい名前
第1章 乗り合わせた面々
- "事業の成功"に潜むワナ
第2章 落日の青年実業家
- 利益が会社を潰す
第3章 ニューヨークからの再起
- 会計でわかる本当の「生産性」
第4章 朝の講義
- 人の生産性をマネジメントする
第5章 V字回復への誓い
- 経営資源の生産性を高める
エピローグ 2年後のファーストクラス

 

「だ・である調」

本書は、「です・ます調」ではなく、「だ・である調」です。

本ブログのような「○○です。」という文ではなく、「〇〇である」という文です。

 

組織や団体におけるマネジメントの本ですが、物語形式のため、読みやすい本となっています。

 

概要

本書はマネジメント(管理)に関する本です。

説明形式の本ではなく、物語形式の本です。

 

会社経営に悩んでいる男に対して、ドラッカーの言葉を活用し会社経営をうまく回している男がアドバイスする中で、生産性の高め方を学べる物語となってます。

 

 

著者が会計に詳しいため会計の話が多い

著者は公認会計士です。

そのため、会計の目線で、ドラッカーの本を活用しています。

 

本書を読むと分かるのですが、会社経営において会計は必須だと感じました。

会計により、会社の状況を把握し、対策をとっていくというやり方です。

 

本書で繰り返し述べていたのは、「売上と利益に注目せず、投資とリターンを見よう」ということでした。

 

銀行からできるだけ借金をして、新店舗を増やし、たくさんの種類の商品を大量に生産して店頭に並べれば、売上が増え利益も増える。利息も容易に支払える。

ドラッカーと生産性の話をしよう

 

「売上」と「利益」だけに注目するならば、借金をすれば、増やすことができます。

ただ、当然、借金の額は増えていく一方であり、その借金による投資がうまくいかなくなった瞬間、一気に事業が回らなくなります

 

借金をしないように勧めているわけではなく、その借金による投資がどのくらいのリターンになっているか、キャッシュの流れをよく見ることが重要だということです。

 

「世間は売上高と利益をなにより重要視したがる。新聞はどの会社の利益が増えたとか減ったとかを報道するが、儲けであるキャッシュフローを真正面から取り上げることは少ない。だが、経営をよく理解している人は、利益よりキャッシュフローを重視する」

ドラッカーと生産性の話をしよう

 

キャッシュの流れを見ることは、生産性を上げるためにも重要です。

設備投資などの投資が、それを上回るリターンとして返ってきているか否かで、生産性が高まったか判断できるからです。

 

設備投資が必ず生産性を上げるとは限らない

生産性を上げるために設備投資を行う企業は多いですが、よく考えて導入しないと、結果が出ないことがあります。

 

「最近の医療は画像診断が主流になっている。‥最新医療を提供するためにエコー、MRI(磁気共鳴画像装置)、CT(コンピューター断層撮影)など高額な画像処理装置へ投資を続けてきたんだ。ところが、同時にこれらの装置を扱う技師が必要となり、大量に採用した。結果として、病院全体の従業員は増えて、1人当たりの利益は減少した。

ドラッカーと生産性の話をしよう

 

上記引用文は、よく考えて設備投資をしないと、思うような結果が出ない例です。

 

問題があるとすれば、きちんと評価をしないことだと思います。

導入後に、どれだけ生産性が上がったかを評価しないと、逆に生産性が悪くなっている現状に気づかずに、だんだんと会社の業績が落ちていくという最悪の事態になってしまいます。

 

また、「これだけ大きい設備投資をしたのだから、今さら生産性が下がったなんて資料作れない‥」と考える責任者も出てくると思います。

これも困りますね。

そういうことが起きないようにマネジメントするのも、経営者の仕事だと思いました。

 

労働の質をよく分析する

労働には質があります。

その質を確実に読み取らないと、誤った対策で生産性をあげようとし失敗します。

 

例えば、ドラッカーは、「肉体労働者」と「知識労働者」という2つの質で労働者を分けています。

 

高性能のミシンを導入して縫製作業の成果を上げるには、ミシンを生産ラインに組み込む『知識』を持つ知識労働者が必要ということだ。‥一方はミシンを使って生産している肉体労働者、そしてもう一方は機械を使った生産ラインを実現した知識労働者だ。

ドラッカーと生産性の話をしよう

 

ドラッカーがいう「肉体労働者」は、おそらくあなたがイメージした肉体労働者とは違います。

 

‥運んだり、作ったり、レジを打つといった単純作業だけを指すのではなく、複雑な労働であっても、作業を個別の動作に分割でき、作業手順として整理できれば、それは肉体労働に分類されるのだ。

ドラッカーと生産性の話をしよう

 

コンピュータプログラムのプログラミングを打つ人は、コンピュータの前で仕事をしますが、誰かの指示で、紙に書かれたプログラムをそのままキーボードで入力するだけであれば、その人は「肉体労働者」です。

言われた通り、あまり考えずに、手順通りにやる人は「肉体労働者」と呼んでいます。

 

本書ではこういった肉体労働の生産性は、「量」により向上すると言ってます。

そのため、人員を増やしたり、「量」を増やすのが得意な機械に置き換えることで、生産性を上げることができます。

このように、労働の質を理解して、対策を取る必要があります。

 

ただし、設備投資が必ず生産性を上げるわけではありません。

ミシンの例でいうと、生産ラインに組み込む『知識』を持つ知識労働者が必要であり、その知識労働者の人件費などが、設備投資額を上回れば、生産性は落ちます。

 

こういったことをしっかりと分析することが、生産性を上げる第一歩だと学びました。

 

仕事における生産性をあげたい人にオススメ

本書を読むことで、生産性を上げるために注目しないといけないところや、その対応の方法を学ぶことができます。

これは現場の人も大事ですが、経営者も把握しておくべきだと感じました。

 

本書の物語では、経営者が設備投資の効果測定をせず、生産性が上がっていないにもかかわらず、原因を突き止めようとしなかったため、業績が落ちていきます。

会計で表された数字もほとんど見ていません。

 

著者が公認会計士であるというのもありますが、会計(さまざまなことを数字で計算すること)は事業の生産性を上げるために、必要な知識だと感じました。

 

ドラッカー関係の本ですが、主には会計と生産性の考え方の本です。

そのため、仕事の生産性をあげたい人に、本書をオススメしたいと思います。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①知識と情報は違う

今後、ドラッカーの本を読むときに、覚えておいた方がいいと思ったことを紹介します。

知識と情報の違いです。

ドラッカーは、知識と情報を分けて考えています。

 

知識はすぐれて人間的な資源なのである。知識は、本のなかに求められはしない。本は、情報をのせているにすぎない。知識とは、情報を特定の仕事の達成に応用する能力なのである。これは、人間、すなわち人間の頭脳とか手技からだけ発見する。

ドラッカーと生産性の話をしよう

 

例えば公認会計士が国家試験に合格するためには、情報を頭に入れないといけません。

そして、合格後に、実務従事と事務補習などをするのですが、それにより、知識を手に入れることができます。

 

よく「資格なんて取ったって意味がない」と言われますが、情報を頭に入れておくままだと意味がないのかもしれません。

その情報を活用して、仕事の達成に応用して知識に変える必要があるのでしょう。

 

ドラッカーの本で出てくる「知識労働者」というのは、この知識を保持した人です。

情報をたくさん頭に入れている人ではないです。

ここは今後、ドラッカーの本を読むときに注意しておこうと思いました。

 

2. 終わりに

ドラッカーの本を解説している本を読むと、いろいろな考え、とらえ方があって面白いです。

本書は「会計」を主体として、ドラッカーの言葉を説明しています。

 

すべてのドラッカー解説本を読んだわけではありませんが、みながみな、同じ解釈をしているとは思えません。

おそらく、その人の仕事内容だったり環境だったりで、解釈の仕方が変わるのだと思っています。

 

それでいいのか悪いのかは別として、僕も自分がドラッカーの本を読むときは、ちょっと異なる解釈をするかもしれません。

ただ、本書で解説された内容やその他の解説本の内容が頭に入っているわけなので、そこまで間違った解釈にはならないだろうと期待します。

 

いきなりドラッカー本を読むと、難しいですし、本書で語られたような「肉体労働者」の意味を間違って捉えていたからもしれません。

 

そのため、ドラッカー本を読もうと思っている人は、解説本をいくつか読むことをオススメします。

その中の一冊として、ぜひ本書を手にとってみてください。

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