【84冊目】「ドラッカーと会計の話をしよう(著者:林 總)」

記事まとめ

  • 「ドラッカーと会計の話をしよう(著者:林 )」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「会社を成長させるには、会計で表された数字だけを見るのではなく、現場を見ることが大事」ということを学んだ
  • 会社における会計数字のワナを知りたい人に本書をオススメしたい

 

「ドラッカーと会計の話をしよう(著者:林 )」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「物語形式で、ドラッカーの言葉を引用しながら、会社における会計数字のワナについて教えてくれる本」です。

 

本書は物語形式で進んでいくため、読みやすい本となってます。

ちなみに僕は、本書を読み終えるのに、1時間31分かかりました。

 

2020年5月現在、ドラッカー関係の本を読みあさってます。

本書を読む前に、マンガ版の「コミック版 ドラッカーと会計の話をしよう」を読んでおり、非常に勉強になったのですが、小説版(本書)はマンガ版より詳細が書かれているのではないかと思い、手に取りました。

内容としては、マンガ版も小説版もそれほど大きな違いがあるようには思えませんでした。

好きな方を選べば良いと思います。

 

また、本書の前に、「ドラッカーと生産性の話をしよう」という本も読んでます。

 

著者の考えとして一貫しているのは、「利益は儲けとは違う」「会計上の利益は操作ができるので、利益を目標にしない」「業務改善対象は現場にある」「業務改善は、ムダを省くこと」ということです。

 

特に、「会計数字を信じすぎるのはよくない」という考えが学べます。

会計数字は操作が可能であり、利益があるように見えることも逆にすることも簡単にできてしまうということです。

 

そのため、会計を会社経営に役立てたいという人より、会計数字にとらわれすぎている人に本書をオススメします。

 

それでは本記事で、僕が本書から学んだことをご紹介していきます。


1. 「ドラッカーと会計の話をしよう(著者:林 )」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「ドラッカーと会計の話をしよう(著者:林 )」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「ドラッカーと会計の話をしよう」です。

 

タイトルの「ドラッカー」のとおり、経営学者であるドラッカーの本に関する本です。

本書は、特定の(1冊の)ドラッカーの本を題材にしているわけではなく、さまざまなドラッカー本の言葉を引用しています。

 

1-2. 著者について

著者は、「林 」さんです。

 

以下のウェブサイトを運営しているようです。

公認会計士 林

 

運用しているTwitterアカウントは見つけることができませんでした。

 

経歴

「林 」さんの経歴については、本書によると以下のとおりです。

 

公認会計士、税理士、LEC会計大学院教授(管理会計事例)、日本原価計算学会会員。

ドラッカーと会計の話をしよう

 

本書は、公認会計士が書いた本です。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
プロローグ ファーストクラス
- レストラン経営者と謎の紳士
第1章 ディナータイム
- 利益が会社を潰す
第2章 あかりの消えた機内
- 「松」「竹」「梅」はどれがお得か?
第3章 真夜中の決断
- コストカットは未来を奪う
第4章 再起の朝
- 客はオーケストラの何にお金を払うのか?
エピローグ 2年後
- 経営の神髄

 

「だ・である調」

本書は、「です・ます調」ではなく、「だ・である調」です。

本ブログのような「○○です。」という文ではなく、「〇〇である」という文です。

 

物語形式のため、読みやすい本となっています。

 

概要

本書はマネジメント(管理)に関する本です。

説明形式の本ではなく、物語形式の本です。

 

会社経営に悩んでいる男に対して、ドラッカーの言葉を活用し会社経営をうまく回している男がアドバイスする中で、会計数字のワナと業務改善のやり方を学べる物語となってます。

 

会計上で表される利益を求めるのではなく、儲けを求める

本書だけでなく、著者の本は、「利益」を求めることの過ちを説明しています。

「利益」は、簡単に操作でき、他人(投資家など)に「利益」が出ているような企業に見せかけることができるが、実際は、会社が衰退している、ということがあるようです。

 

純一は、後ろめたさを覚えた。利益を出すために、仮払いの精算を次の期に回したり、減価償却費を少なめに計算したり、あるいは材料在庫の金額を水増ししたことがあったからだ。

ドラッカーと会計の話をしよう

 

本書や本書以外の著者の本を読むと、このような操作方法が色々学べます。

会計上の数字である「利益」は、ある一定期間の「売上-費用」を表している数字であり、その期間から「売上」もしくは「費用」の値をずらすことで、簡単に操作できます。

 

「利益」は、会計上の数字に過ぎないということです。

そして、「儲け」は、数字ではなく、実際の現金を表します。

 

僕はマンガ版を読んだ時に違いがよくわからなかったのですが、著者の本を色々読んでいく中で分かった気がします。

 

とりあえず、今までの話のとおり、「利益」は、簡単に操作できるような、また、一定期間の数字にすぎないということで、経営判断に使用するためには、そういう操作を行わないことが大事だと学びました。

 

そして、「儲け」についてですが、「儲け」は会計上の数値ではなく、本当のお金のことです。

 

本書では「利益」と「儲け」を以下のように定義していました。

 

  • 利益:計算上、売上と費用を差し引いた金額
  • 儲け:預金口座に溜まるお金

 

「儲け」とは、実際にモノが売れて、入ってくるお金のことです。

単なる数字である「利益」とは違います。

操作された可能性がある「利益」とは違います。

本物のお金です。

 

会社経営の基盤を固めるためには、「利益」ではなく「儲け」に注目すべきだということを学びました。

 

会社内には利益を生み出す部署はない

僕はサラリーパーソン時代(2007年〜2018年)、会社に利益をもたらすのは、「営業部」だと思っていました。

残りの部署(総務部や技術部)は、利益を生み出すために助ける存在のようなイメージです。

 

営業部が頑張れば頑張るほど、会社の利益が上がるという考えです。

ちなみに僕は技術職(ネットワークエンジニア)でしたので、技術部です。

 

どの部署も大事な存在であることは当たり前のことですが、本書では、「会社に利益をもたらすのは営業部である」という考えが誤っていることを指摘されました。

 

正しくは、「会社に利益をもたらすのは顧客である」です。

 

君のレストランを思い浮かべてごらん。どんなに立派なキッチンでも、どんなに豪華な店でも、財布を持った客が来てくれなければ利益、つまりプロフィットは生まれないんだ

ドラッカーと会計の話をしよう

 

この言葉は、部署だけでなく、投資した機械設備や出張旅費なども含まれると思います。

顧客が買ってくれない限り、すべては「コスト」になります。

 

この考え方が重要になります。

 

つまり、営業部も、設備投資した機械も、顧客が買ってくれるようなものを生み出さない限り、「コスト」になります。

営業部の中で、顧客が買ってくれるようなものを生み出すためのプロセスでなければ、それは「コスト」です。

 

コストは費用であるため、「利益=売上-費用」の式を考えると、コストは減らす必要があります。

 

要するに、無駄な業務やプロセスは、減らしていかないとダメだということです。

例え営業部の中で、必要だと「思っている」出張旅費でも、顧客にとって魅力的なサービスを作るために行っていなければ、無駄なコストです。

「思っている」というより、「思っていた」と考えてもいいかもしれません。

 

つまり、このような無駄なコストが発生していないかどうかを、常に意識して分析することが大事です。

著者の本では、コストのムダを省くことが重要であるということが一貫して述べられています。

そして、このコストのムダは、会計上の数値には現れません。

そのため、会計数字にとらわれすぎても、会社経営をうまく回すことができないわけです。

 

会社経営における会計のワナを知りたい人にオススメ

会計知識があれば、会社は成功に近づくと思っている人は、一度本書を読んでみるといいと思います。

 

会計上示される数字は、本当に信用していいものなのかと疑問を持つようになると思います。

これは、他社の決算書を見るときも一緒です。

 

会計の数字を見て経営判断することは大事だと思いますが、その会計数字が正しく、ありのままを示していることが重要であると学びました。

 

本書はドラッカー関係の本のように見えますが、ドラッカーの言葉が引用されるだけで、主には著者が考える会計と経営の関係性を説明しています。

特に、会計の数字のワナです。

そのため、会計の数字を信じ込んでいる人に、本書をオススメしたいと思います。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①業績が悪いのは今までのやり方が悪かったと思え

業績が悪くなると、ついつい、世間や時代のせいにしてしまいがちですが、自社を疑うべきだと感じました。

今までやってきた業務の蓄積が業績の悪さにつながっていると考えるべきです。

 

業績が悪くなると、残業を禁止し、出張を禁止し、広告宣伝をやめ、鉛筆と消しゴムの支給を禁止する会社があるね。しかし、業績が悪化したのは、過去にしてきた十億、何百億というムダな支出(投資)がキャッシュを生んでいないからなんだ。

ドラッカーと会計の話をしよう

 

業績が悪化したため、費用を減らすという方法を取るのは、正しい方法のように見えます。

僕の会社でも、「パワーポイントで作った資料は4面両面白黒印刷にせよ」という期間が一時期ありました。

僕は、「費用を減らす」というのが大事なことだと思っていたので、それほどストレスに感じませんでしたが、「こんなことしても意味がない」という社員はいましたね。

 

本書はどちらかというと、「こんなことしても意味がない」という側です。

ただ、意味がないというより、「他の意味があることをしよう!」ということになります。

それが、キャッシュを生んでいないムダな支出を探すことです。

 

「投資だ!」と意気込んで買った設備が、ほとんど使われていなければ、それはムダな支出です。

早々に排除すべきです。

 

「残業を禁止します」というのは、誰でもすぐに実行できるから、簡単に命令できます。

「ムダな支出を探して、減らせ!」というのは、誰もが時間がかかり面倒なものだと思っているため、うまく進まないような気がしています。

僕もそうです。

 

会社において、「改善活動」なるものがありました。

これはまさにムダを見つけ、改善していくものでした。

正直、面倒でした。

時間を見つけ関係者と話し合いをしたり、ボードを作成したり、発表資料を作成したり‥。

 

ただ、本書を読んでから考えが変わり、ムダをなくしていくことがいかに重要かがわかりました。

今後は、業務におけるすべてにおいて「ムダ」がないかを意識して行動していきます。

 

2. 終わりに

本書は会計数字を見ることを否定しているわけではないです。

ただ、信じ込みすぎるのはよくないと教えてくれてます。

 

また、会計数字を見るより、現場の業務や在庫品などを見るべきだということです。

 

例えば、レストランで、「本日訪れるお客様が頼むかもしれないので用意していた食材が、誰も頼まなかったので廃棄処分になった」という場合、会計数字の中では、費用として現れます。

ただ、その費用が、ムダに終わった、つまり、「食材が、お客様がお金を払う料理に含まれることなく、ただ捨てられた」という事実は見えてきません。

 

こういったムダなものを見つけ出すことが重要だと学びました。

 

本書はドラッカーや会計の本だと思われますが、会社経営をよくしていくための本の色合いが強いです。

そのため、会社経営や業績に悩んでいる人は、ぜひ本書を手にとってみてください。

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