【64冊目】「100円のコーラを1000円で売る方法(著者:永井 孝尚)」

記事まとめ

  • 「100円のコーラを1000円で売る方法(著者:永井 孝尚)」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「マーケティングは、顧客へ製品を売ろうとすることではなく、価値を提供しようと考えることである」ということを学んだ
  • マーケティングの専門書を読む前に、物語形式でマーケティングの考え方をさらっと学びたい人に本書をオススメしたい

 

「100円のコーラを1000円で売る方法(著者:永井 孝尚)」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「マーケティングの基本的な考え方を、物語形式で教えてくれる本」です。

 

本書は、物語形式なので、読みやすい本となってます。

ちなみに僕は、本書を読み終えるのに、1時間54分かかりました。

 

本書はとにかく面白いです。

マーケティングの専門書とは違い、物語形式でストーリー性があるため、楽しく読み進めることができます

 

基本的には、さまざまなマーケティングの専門書の内容を、1つの物語に含めていったようなストーリーとなってます。

ある企業の女性社員が、その企業の上司にマーケティングの手法を教わりながら、成長していく物語です。

 

本書を読むことでマーケティングとはどういう考えで実施するものかがわかると思いますので、最初の1冊目としてベストな本だと思います。

その後は、いろいろなマーケティングの専門書を読んで、自身のビジネスにあった方法を探し、実践していけばいいと思います。

 

このように、マーケティングの難しい専門書を読む前に、マーケティングの基礎を物語形式でさらっと学習したいと思っている人に本書をオススメします。

 

それでは本記事で、僕が本書から学んだことをご紹介していきます。


1. 「100円のコーラを1000円で売る方法(著者:永井 孝尚)」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「100円のコーラを1000円で売る方法(著者:永井 孝尚)」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「100円のコーラを1000円で売る方法」です。

 

その答えは、簡単にいうと、価値の違いです。

1000円のコーラは、飲料水という価値だけでなく、その他の価値がついているというわけです。

 

1-2. 著者について

著者は、「永井 孝尚」さんです。

 

以下のウェブサイトを運営しているようです。

永井孝尚オフィシャル・サイト

 

Twitterアカウントは以下です。

永井孝尚(@takahisanagai)

 

経歴

「永井 孝尚」さんの経歴については、本書によると以下のとおりです。

 

日本アイ・ビー・エム株式会社ソフトウェア事業部シニアマーケティングマネジャー。1984年に慶應義塾大学工学部卒業後、日本アイ・ビー・エム入社。

100円のコーラを1000円で売る方法

 

本書は、マーケティングマネジャーが書いた本となります。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
第1章 アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか?
-事業の定義
第2章 「お客さんの言いなりの商品」は売れない?
-顧客絶対主義の落とし穴
第3章 顧客の要望に100%応えても0点
-顧客満足のメカニズム
第4章 値引きの作法
-マーケットチャレンジャーとマーケットリーダーの戦略
第5章 キシリトールガムがヒットした理由
-バリュープロポジションとブルーオーシャン戦略
第6章 スキンケア商品を売り込まないエステサロン
-競争優位に立つためのポジショニング
第7章 商品を自社で売る必要はない
-チャネル戦略とWin-Winの実現
第8章 100円のコーラを1000円で売る方法
-値引きの怖さとバリューセリング
第9章 なぜ省エネルックは失敗してクールビズは成功したのか
-コミュニケーションの戦略的一貫性
第10章 新商品は必ず売れない?
-イノベーター理論とキャズム理論

 

「です・ます調」

本書は、「だ・である調」ではなく、「です・ます調」です。

本ブログのような「○○です。」という文です。

 

マーケティングの本ですが、物語形式で話が進むため、読みやすい本となっています。

 

概要

本書はマーケティングに関する本です。

特定のマーケティング理論を説明するような専門書ではなく、さまざまな専門書の内容を織り交ぜてマーケティングの説明をしていく、物語形式の本となってます。

 

ちょっと強引にセールスをして成績が良かった、性格がちょっと生意気な女性社員「久美」が、商品企画部に配属になり、そこの上司である「与田」という男に、マーケティングを教わりながら成長していく物語です。

最初は久美が、与田に反発しまくってケンカ腰になるのですが、だんだんと与田の凄さを感じ、物事を教わる姿勢になっていきます。

 

基本的には、その与田が教えるマーケティングの理論を学ぶ本になってます。

マーケティング理論はさまざまなものが参考文献として紹介されていますが、以下のようなものです。

 

本書で参考としているマーケティング理論の一部
・バリュープロポジション
・ブルーオーシャン戦略
・チャネル戦略
・イノベーター理論
・キャズム理論

 

巻末に、参考としたマーケティング専門書がいくつも掲載されているので、気になった本は別途読んでみると勉強になると思います。

 

顧客中心主義の正しい考え方を学べる

本書で特に伝えたかったことは、「顧客中心主義」の正しい考え方のようです。

 

本書のテーマは顧客中心主義への回帰。そしてお伝えしたかったことは、顧客中心主義とは、「顧客が言うことは何でも引き受ける」ということではなく、「顧客の課題に対して、自社ならではの価値を徹底的に考え、提供する」と言うことです。

100円のコーラを1000円で売る方法

 

「顧客第一」というのは、顧客が望むものをそのまま提供すればいいと思いがちですが、そうではないということです。

 

「顧客満足」の定義の仕方が参考になりました。

 

  • 顧客満足 = 顧客が感じた価値 - 事前期待値

 

上記の方程式でいうと、顧客の要望を叶えるだけであれば、「100 - 100 = 0」で、顧客満足は0になってしまいます。

 

そうではなく、顧客が気づいていないような、または、間違っている要望の指摘(もっと良い方法があることの提示)をして、「顧客が感じた価値」を200にすべきです。

 

顧客は、自社の業務については詳しいですが、その業務を解決させる技術やサービスについては、それほど知っているわけではないです。

「最新技術を使えば、業務効率を上げることができる」ということは、日々情報収集していないと気づけないです。

 

つまり、顧客が要望することをそのまま実現しても、それが最適ではない可能性があるというわけです。

 

本書の物語では会計システムが題材となっている

顧客中心主義を考えるにあたって、本書では「会計システム」を題材としています。

 

経営者が本当にやりたいことは、会計システムで集まった情報を活用して、会社の財務状況を改善し、経営変革をすることです。

100円のコーラを1000円で売る方法

 

会社は、会計システムが欲しいわけではないです。

会計管理は面倒でやりたくないけれど、その情報を役立て、経営改革に利用したいと考えているはずです。

 

つまり、会計管理をするという価値だけでなく、その情報による経営改革のアドバイスなどが付加価値としてあれば、嬉しい経営者がいるということになります。

 

これは一例ですが、そのようにして、製品やサービスを欲しがる顧客の、表に出てこないような潜在的な要望を見極めることが重要だと学びました。

 

製品志向と市場志向

製品を売ろうと考えるのではなく、市場を開拓しようと考えることが重要です。

 

虫歯になる人は日本人全体の1割にすぎません。ところが、虫歯になる前の9割の人も顧客に取り込んだことで、潜在顧客規模を日本人全体に広げたということです。

100円のコーラを1000円で売る方法

 

「歯医者は虫歯を治療することだ」という考えだけだと、市場は日本人全体の1割です。

それを、「虫歯にならないように定期検診をする」というサービスを作り出すことで、市場は日本人全体に広がります。

 

このような考え方が必要だと学びました。

 

「製品志向」だと、その製品に適用できる市場しか考えることができません。

 

僕は元エンジニア(ネットワークエンジニア、通信技術者)であるため、最新技術や最新製品に敏感に反応します。

そういった最新のものを使えば、世の中が良くなるという考えが強いです。

 

でもそれは良くないです。

別にAI(人工知能)技術を使わなくても、従来の技術で課題を解決できるのであれば、まったく問題ないわけです。

 

製品志向だと、「良い製品を作ったので使ってください」という、顧客や市場を無視したような考えになってしまいます。

 

今後は、市場志向で物事を考えていきたいと思うようになりました。

 

これからマーケティングの専門書を読もうと思っている人にオススメ

すでにマーケティングの本を何冊も読んでいる人にとっては、本書は学ぶところが少ないかもしれません。

ただ、物語形式で、「会計システム」を販売する会社を舞台に話が進むため、マーケティング理論を実践でどのように活用すれば良いのかというイメージをつけることはできると思います。

 

マーケティング専門書だけを読んで、イメージがわかなかった人は、本書の物語が参考になると思います。

 

また、マーケティングの基礎がわかるので、これからマーケティングの専門書を読んでいこうと思っている人に、本書をオススメしたいと思います。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①プロダクトセリングとバリューセリングはケースバイケース

プロダクトセリングとバリューセリングという言葉が出てきました。

 

  • プロダクトセリングは、製品を安く売ること
  • バリューセリングは、価値を高めて売ること

 

どちらが良い悪いというものではなく、時と場合によって、柔軟に考えることが大事のようです。

 

まずは、プロダクトセリングです。

 

ディスカウントストアで売っているのは、コーラという液体そのものです。同じような商品を他でも売っているので、お客さんは値引きを求めてきます。だから徹底的にコスト削減を図る。これが"プロダクトセリング"です。この場合は、規模の大きい会社ほど、大量仕入れで原価を安くできるので、有利です。

100円のコーラを1000円で売る方法

 

一般的には、プロダクトセリングの製品が多いと思います。

いや、僕が庶民のためそう感じるのでしょう。

 

裕福な人にとっては、次のバリューセリングをよく目にするのかもしれません。

 

一方、リッツカールトンが売っているのは、心地よい環境で最高に美味しいコーラを飲めるという体験です。この体験は他では得られませんから、顧客は値引きを要求しません。そのため、コスト削減や規模の大きさは必要ありませんが、とことんまでサービス向上を図ります。これが"バリューセリング"です。

100円のコーラを1000円で売る方法

 

高級ブランド服はバリューセリングだと思います。

例えばTシャツの素材については、安価なTシャツとそこまで違いはないはずです。

ただ、デザイン性はやはり違います。

 

そういったものに価値を置く人がこの世には存在し、そうした人は、素材などより、デザインに重きを置くのです。

 

つまり、どういう市場、どういう顧客層に対して、そのサービスや製品を売るかによって、売り方は違うということですね。

 

②価格競争は市場リーダーが有利

正直な話、世の中には、同じようなサービスや製品があふれていると思います。

どの会社も似たようなものを売っていて、最終的に価格で判断することが多いです。

細かな違いがあっても、本当に細かすぎて、あまり違いを感じないことが多い‥。

 

つまり、会社は、価格競争を行うことになります。

 

この価格競争について、基本的には、市場リーダー、すなわち、顧客が多い企業が有利だということです。

 

例えばソフトウェア製品の場合、流通コストより開発費がかかるわけですが、製品がたくさん売れれば、商品当たりの開発コストは下がっていきます。

そうすると、価格を下げても、利益を確保できる可能性が高いです。

 

つまり、顧客数が多い市場リーダー企業が有利だということです。

 

この点はしっかり理解しておこうと思います。

 

当然ですが、流通コストが大きくかかるのであれば、顧客が多ければ多いほど、流通コストが増えるので、必ずしも、市場リーダーが有利になるとは限らないですね。

 

2. 終わりに

「100円のコーラを1000円で売る方法」は、実は3巻まで出ています。

本書だけでも話は完結しているのですが、2巻と3巻もマーケティングが学べて面白いです。

 

僕はマーケティングの入門書としてはベストな3冊だと思います。

とにかく読みやすいです。

 

専門書を読む前に、ぜひ本書を手にとってみてください。

おすすめの記事