【52冊目】「ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来(著者:ユヴァル・ノア・ハラリ)」

記事まとめ

  • 「ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来(著者:ユヴァル・ノア・ハラリ)」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「最新の科学知識や歴史を紐解くことで、人間の未来の中の1つを導くことができる」ということを学んだ
  • 人間の未来の予想を知りたい人に本書をオススメしたい

 

「ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来(著者:ユヴァル・ノア・ハラリ)」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「最新科学や歴史を紐解き、人間の未来の1つを教えてくれる本」です。

 

本書は、最新科学の話が出てきますが、柔らかい文体のため、読み進めやすい本となってます。

ちなみに僕は、本書を読み終えるのに、275分(4時間35分)かかりました。

 

本書は、「ホモ・デウス」の下巻です。

上巻は以下の記事を参照ください。

 

上巻では、歴史や宗教の話が中心で、人間が「神」という、見たことがない存在を信じ、協力し合い、地球上で頂点に立ったというようなことが語られました。

下巻では、最新科学の話を持ち出し、人間が「データ」という、見えない存在を信じ、まるで神が導いてくれるように、そのデータが導いてくれる未来を語ってます。

 

神を信じる宗教のように、データを信じる宗教が作られるというような話です。

本書ではデータ教と呼んでいます。

 

あり得ない話と思う人がいるかもしれませんが、インターネットのブログ記事やYouTube動画、Twitterを見ている時に出てくる企業広告が、自分の趣味や関心ごとに近づいているように、すでに現実味を帯びてきてます。

これは2020年の話ですが、2030年/2040年には、その精度が上がり、今では想像できないような世界になっている可能性は0ではありません。

 

著者が本書で見せてくれる未来は、その想像できないような未来のうちの1つです。

 

著者がいうように、もしそういった未来を避けたいなら、避けるような行動を取っていくという選択が取れます。

そういった未来を実現したいが、ちょっと変更したい部分があるなら、それも今からの行動で変えていけます。

 

あくまでも、著者の考えの1つの未来です。

今から変えることは容易にできるわけです。

 

そういった意味で、今後の未来への想像力を鍛え、今どのような行動を起こせばいいかを考えたいという人は、本書をオススメしたいと思います。

 

それでは本記事で、僕が本書から学んだことをご紹介していきます。



 

 

1. 「ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来(著者:ユヴァル・ノア・ハラリ)」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来(著者:ユヴァル・ノア・ハラリ)」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来」です。

 

タイトルの「ホモ」は「ヒト」で、「デウス」は「神」という意味のようです。

また、タイトルに「下」とあるように、上巻と下巻があり、本書は下巻です。

 

原著について

本書は翻訳本です。

原題は「Homo Deus: A Brief History of Tomorrow 」です。

 

原著は、上巻と下巻で分かれていないようです。

 


1-2. 著者について

著者は、「ユヴァル・ノア・ハラリ」です。

 

以下のウェブサイトを運営しているようです。

Yuval Noah Harari

 

また、Twitterアカウントは以下です。

Yuval Noah Harari(@harari_yuval)

 

経歴

「ユヴァル・ノア・ハラリ」の経歴については、本書によると以下のとおりです。

 

1976年生まれのイスラエル人歴史学者。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えている。

ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

 

本書は、歴史学者が書いた本となります。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
第6章 現代の契約
第7章 人間至上主義革命
第8章 研究室の時限爆弾
第9章 知能と意識の大いなる分離
第10章 意識の大海
第11章 データ教

 

「だ・である調」

本書は、「です・ます調」ではなく、「だ・である調」です。

本ブログのような「○○です。」ではなく、「○○である。」という文です。

 

最新科学の話が出てきますが、柔らかい文体のため、読み進めやすい本となっています。

 

概要

本書は未来に関する本です。

その他にも、歴史や最新科学、宗教の話もあります。

 

上巻は、未来ではなく、歴史や最新科学、宗教の話がメインでした。

下巻は、それら上巻の話を元にして、最新科学の話をもう少し詳しくし、著者の考える1つの未来を提示します。

それは、データが神にとってかわるような世界です。

 

データ至上主義

インターネットでは現在、個人のインターネットアクセス情報を集め、その人個人の、趣味や仕事に合わせた広告を出すような仕組みが出来上がってます。

 

ブログ記事やYouTube、Twitterで表示される広告は、以前アクセスしたことがあるメーカーの広告や、自分が以前検索した用語に関するメーカーの広告が表示されます。

 

これらの広告は、広告主の製品やサービスを売るための商売用ですが、同じような仕組みを使えば、例えば、インフルエンザの流行も検知できるようになるようです。

 

「喉の痛みを治す方法」「熱を覚ます方法」というような用語検索が、ある特定の地域で頻発すれば、インフルエンザの発生を検知できるかもしれません。

これは、人が家から出なくてもできます。

人が病院に行かなくても把握できるということです。

 

「寝たら治るだろう」「病院に行ったらお金がかかるから自宅待機して様子見しよう」と考え、検査に行かない人がいたとしても、インフルエンザの発生を検知できる可能性があるわけです。

 

これを応用していけば、さまざまな判断事について、「データ」を利用することができるようになるでしょう。

それがデータ至上主義です。

 

最も興味深い新興宗教はデータ至上主義で、この宗教は神も人間も崇めることはなく、データを崇拝する。

ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

 

データが自分の行動すべてを示すようになることは確かに怖いことですが、「感染症の流行の把握」「犯罪の防止」などに利用されることに対して、批判する人はあまり多くないのではないかと思ってます。

 

宗教が変わっていく

上巻から述べられているように、人びとは、宗教により一致団結し、強くなっていった生物です。

目の前に神という存在がいなくても、書物などで伝え聞くことにより、その存在を信じることができるのが人類の特徴の一つで、それにより、地球上を支配することができました。

 

この「神」という存在が、「データ」に代わるというのが、著者が考える1つの未来像です。

 

伝統的な宗教は次のように断言した。あなたの言動のいっさいは、宇宙の構想の一部であり、神はどんなときもあなたを見守り、あなたの思考や感情のすべてを気にかけている、と。今やデータ教は、次のように言う。あなたの言動のいっさいは大量のデータフローの一部で、アルゴリズムが絶えずあなたを見守り、あなたのすること、感じることすべてに関心を持っている、と。

ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

 

僕は特定の宗教に所属しているという感覚がありません。

「日本人なので、神道か仏教なのかな」という感じであり、宗教を信じている人たちの気持ちが分かりません。

 

そのため、データ教というものが、現在の宗教を信じている人たちを突き動かすことなんてできるのかという疑問は残ります。

 

ただ、2020年の中で考える未来は、視野が狭いです。

もっと未来は広いはずです。

 

現在宗教を信じている人たちは変わらなくても、その子どもたちが、必ずしも親と同じ宗教を信じ続けるという保証はないはずです。

数千年続いた宗教ですから簡単にはなくならないと思いますが、それもあくまでも、今までの情報により考える狭い視野です。

 

未来は予測ができないような大変化を起こす可能性もあります。

 

著者が考える未来は予言ではない

著者が本書で語った未来は、あくまでも1つの未来です。

必ずそうなるとは言ってません。

 

AIとバイオテクノロジーの台頭は世界を確実に変容させるだろうが、単一の決定論的な結果が待ち受けているわけではない。本書で概説した筋書きはみな、予言ではなく可能性として捉えるべきだ。こうした可能性のなかに気に入らないものがあるなら、その可能性を実現させないように、ぜひ従来とは違う形で考えて行動してほしい。

ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

 

本書で著者が未来提起しなければ、何も考えないまま、本書で語られる未来になっていた可能性があります。

それを嫌がる人もいると思います。

 

本書で著者が語ることによる、今後の未来の方向性について、みんなで考えながら進めるようになったと思います。

著者がしたかったことはそういったことなのではないかと思ってます。

 

AIやバイオテクノロジーの進歩に怯え、敵対視するのではなく、技術の進歩を喜んで受け入れ、人類や地球上に住む生物全体に、良い方向になるような未来を作っていければ良いと思いました。

 

人類の1つの未来の形を学びたい人にオススメ

著者が示した未来は、上巻と下巻の幅広い知識により、納得いくようなものでした。

 

著者がいうように、気に食わない未来であるならば、今からそうならないように行動すればいいだけです。

そして、人類が目指すべき未来を考え、議論しながらその方向へ進んでいけばいいと思います。

 

その議論のために、本書の幅広い情報は役に立つと思いました。

 

人類の過去(歴史)や最新の科学を知り、今後の未来を考えるために、本書をオススメしたいと思います。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①AIは芸術に弱いとよく言われるがそれは過去の話

僕は人工知能(AI)について興味を持っているのですが、AIの話になると、「この仕事はAIに奪われない」という話がよく出てきます。

その中で、「芸術を作り上げること」というのは、AIが苦手だと言われてきたように思ってます。

 

ただ、本書では、音楽という芸術はAIでできているという例が出てきました。

 

まずは、AIではなく、単純にパターンを真似て曲を作るプログラムの例です。

 

デイヴィッド・コープはカリフォルニア大学サンタクルーズ校の音楽学の教授だ。彼はクラシックミュージックの世界で話題の多い人物でもある。コープは、協奏曲や合唱曲、交響曲、オペラを作曲するコンピュータープログラムを書いてきた。最初に完成させたプログラムは、EMI(Experiments in Musical Inteligence:音楽的知能における実験)と名付けられた。ヨハン・セバスティアン・バッハの作風を真似するのが専門だった。このプログラムは、書くには7年かかったが、いったんでき上がると、たった1日でバッハ風の合唱曲を5000も作曲した。

ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

 

そして以下が、AIによる例です。

 

EMIの成功を受けて、コープは新しい、なおさら高度なプログラムを作った。その最高傑作がアニーだ。EMIがあらかじめ設定された規則に従って作曲したのに対して、アニーは機械学習に基づいていた。その作風は、外界からの新しい入力に応じて絶えず変わり、発展する。アニーが次に何を作曲するか、コープにも想像がつかない。それどころか、アニーは作曲だけにとどまらず、俳句などの他の技術も試す。

ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

 

AIの可能性は、「何を作曲するか分からない」ところに現れます。

人間がパターンを教えて作曲する場合は、人間を超えるものを作ることはできません。

 

AIは、人間を超えたものを作り出す可能性があるわけです。

それが、人間の感性を刺激するような芸術作品になる可能性もあります。

 

そのため、「AIは芸術が不得意」という主張は、もう古い考えなのだと思うようになりました。

今後は、AIに関して、もっと積極的な利用方法を考えていこうと思ってます。

AIに対して、自分で制約や限界をつけることはしない方が良いという考えです。

 

2. 終わりに

上巻と下巻をとおして読むことで、歴史や宗教、最新科学の話から未来の話まで、すべてを学べることができます。

このような未来を語る本は、基本的に、現在までの科学の話のまとめが出てくるため面白いです。

 

以前読んだ、「LIFE 3.0」という本もAIに関する未来の本ですが、そちらは、「物理学」「宇宙論」がメインで語られます。

そちらも1つの未来の話ですので、読んでみてください。

 

未来に関して語られる本は、SFが好きな人は楽しく読めると思います。

本書は歴史と宗教が中心ですので、人類が過ごしてきた歴史を振り返りながら、人類の未来の1つを知りたいと思っているのであれば、ぜひ本書を手に取ってみてください。

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