【19冊目】「フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略(著者:クリス・アンダーソン)」

記事まとめ

  • 「フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略(著者:クリス・アンダーソン)」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「今後のビジネス戦略において、製品やサービスを無料(フリー)で提供し、お金以外の価値である、注目や評判を得て、事業を成り立たせるということが大事だ」ということを学んだ
  • 無料(フリー)のサービスがあふれている現代社会の中で、その波に埋もれず、事業を成り立たせたいと思っている人に本書をオススメしたい

 

「フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略(著者:クリス・アンダーソン)」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「ビジネス戦略において、製品やサービスを無料(フリー)で提供することが、現代社会で生き残るためにどれだけ重要なことなのかを教えてくれる本」です。

 

本書は、IT用語が多少出てくるため、慣れていない人は読み応えのある本になっていると思います。

ちなみに僕は、本書を読み終えるのに、228分(3時間48分)かかりました。

 

本書でいう「フリー(無料)」とは、「ひとつ買えばもうひとつはタダ」とか「無料のお試し」とか「おまけ」とか、そういったものではありません

 

そのサービスを使うことに対してはずっと無料で、「使い続けるために、別途、有料のものを契約しないといけない」ということが起きないサービスのことです。

 

Googleの検索サイトやGmail、YouTube、Facebook、Twitterなどが該当すると思います。

これらのサービスは、利用者は1円もお金を払う必要がありません。

 

ただ、それらのサービスの中で表示される広告で良い製品があったら、お金を払って購入しているかもしれません。

このようなサービスのフリー(無料)のことを、本書では大きく扱っています。

 

僕はこのフリー(無料)の概念は、今後ますます重要になってくると思っています。

近い将来、以下のとおり、お金を使わない市場が形成されていくと思っているからです。

 

①GoogleやYouTubeなどのサービスをフリー(無料)で利用することが当たり前となった世代が消費者の中心となる市場になる
②少子高齢化社会となり、年金生活の高齢者はお金を使わず、人数が減っていく若者も①の世代の人もお金を使わないため、お金を使わない市場が形成されていく

 

今後ビジネスをするなら、消費者(個人)に対しては無料(フリー)でサービスを提供して、何らかの方法により、消費者以外からお金を得る仕組みを作るべきだと思ってます。

 

その仕組みを学ぶために本書を手に取りました。

 

本書では、フリー(無料)で提供されるビジネスモデルの例がたくさん出てきますし、その考え方も学べました。

僕は今後のビジネスに活かす予定です。

 

このように、今後のビジネスにおいて、無料(フリー)のサービスを提供しながら、事業を成り立たせたいと思っている人に、本書をオススメします。

 

それでは本記事で、僕が本書から学んだことをご紹介していきます。


1. 「フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略(著者:クリス・アンダーソン)」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略(著者:クリス・アンダーソン)」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略」です。

 

タイトルの「お金を生みだす新戦略」というとおり、本書には、「どうして○○がタダになるの?」というコラムがあり、タダでサービスを提供するのに事業が成り立っている例がいくつか紹介されています。

つまり、裏事情です。

これらを参考に、自身のビジネスにおいても、新しい戦略を作っていくと良いと思います。

 

原著について

本書は翻訳本です。

原題は「Free: The Future of a Radical Price」です。

 

Radical Price」がうまく訳せないのですが、抜本的な/革命的な価格というような感じでしょうかね。


1-2. 著者について

著者は、「クリス・アンダーソン」です。

 

運営されているウェブサイトやTwitterアカウントは見つかりませんでした。

 

経歴

「クリス・アンダーソン」の経歴については、本書によると以下のとおりです。

 

『ワイアード』誌編集長。「ロングテール」という言葉を2004年に同詩上ではじめて世に知らしめ、2006年に刊行した同名の著書『ロングテール - 「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』(早川書房)は世界的ベストセラーとなる。

フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略

 

雑誌編集長が書いた本ということになります。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
第1章 フリーの誕生
第2章 「フリー」入門
- 非常識に誤解されている言葉の早わかり講座
第3章 フリーの歴史
- ゼロ、ランチ、資本主義の敵
第4章 フリーの心理学
- 気分はいいけど、よすぎないか?
第5章 安すぎて気にならない
- ウェブの教訓=毎年価格が半分になるものは、かならず無料になる
第6章 「情報はフリーになりたがる」
- デジタル時代を定義づけた言葉の歴史
第7章 フリーと競争する
- その方法を学ぶのにマイクロソフトは数十年かかったのに、ヤフーは数ヶ月ですんだ
第8章 非収益化
- グーグルと21世紀型経済モデルの誕生
第9章 新しいメディアのビジネスモデル
- 無料メディア自体は新しくない。そのモデルがオンライン上のあらゆるものへと拡大していることが新しいのだ
第10章 無料経済はどのくらいの規模なのか?
- 小さなものではない
第11章 ゼロの経済学
- 1世紀前に一蹴された理論がデジタル経済の法則になったわけ
第12章 非貨幣経済
- 金銭が支配しない場所では、何が支配するのか
第13章 (ときには)ムダもいい
- 潤沢さの持つ可能性をとことんまで追求するためには、コントロールしないことだ
第14章 フリー・ワールド
- 中国とブラジルは、フリーの最先端を進んでいる。そこから何が学べるだろうか。
第15章 潤沢さを想像する
- SFや宗教から、<ポスト稀少>社会を考える
第16章 「お金を払わなければ価値のあるものは手に入らない」
- その他、フリーに対する疑念あれこれ
結び 経済危機とフリー

 

「だ・である調」

本書は、「です・ます調」ではなく、「だ・である調」です。

本ブログのような「○○です。」ではなく、「○○である。」という文です。

 

フリー(無料)のサービスは、インターネット上で成り立つことが多いため、本書のフリーの例は、インターネット上で成り立つサービスの説明が大半です。

そのため、IT用語が多少出てくる本になりますので、あまり慣れていない人には読み応えがある本だと思います。

 

概要

本書は、日常生活ではなく、仕事に関する本です。

 

フリー(無料)というタイトルですが、ビジネスにおける価格設定の話というよりも、大胆にフリー(無料)でサービスを提供することで事業を成り立たせることについて説明していく本です。

 

著者が本書で語りたいことは以下です。

 

ここに無料(フリー)のパラドックスがある。料金をとらないことで、大金を稼いでいる人々がいるのだ。すべてとは言わなくても、多くのものがタダになっていて、無料か無料同然のものから一国規模の経済ができているのだ。それはどのようにして起こり、どこへ行こうとしているのだろうか。
これが本書の中心となる疑問だ。

フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略

 

僕はフリーのサービスをたくさん利用しています。

 

フリー(無料)のサービス
・Google/Yahoo検索
・Gmail
・YouTube
・Facebook
・Instagram
・Twitter

 

これらのサービスは広告事業で成り立っているのは理解していましたが、その考えや深い領域にまで踏み込んだ話を聞きたいと思っていたため、本書を読みました。

上記のサービスは広告ですが、他にも「アーティストが音楽を無料で提供し、ファンを多く集め、コンサートやグッズで稼ぐ」などの例が出てきて、勉強になりました。

 

著書でいうフリー(無料)は、消費者を誘ってお金を無理に払わせるようなタイプではない

フリー(無料)のサービスはあまりいいイメージがない人がいると思います。

 

フリー(無料)のサービスの良くないイメージ
・携帯電話はタダだが、月々の通信料金を払う必要がある
・開始3ヶ月はタダだが、その後は(解約手続きをしないと)自動的に契約となり、料金が発生する

 

上記は別に悪いことではないですが、あまり良いイメージは持てません。

「最初だけじゃん」とか「解約手続きがしにくい!」ということもあります。

 

ただ、本書でいうフリー(無料)は、上記のようなものではありません。

上記のようなフリーは20世紀のマーケティングの戦略の1つであり、著者がいうフリーは21世紀のもので別物です。

 

自分たちの楽曲を常にオンラインで無料で配信している。それはフリーにすることで、より多くの人々に音楽を届けられ、多くのファンを獲得でき、ファンの一部がコンサートに来てくれて、さらに有料のCDやグッズを買ってくれるとわかっているからだ。

フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略

 

上記の引用文において、楽曲を楽しむことについては無料で、有料のCDやグッズは必ずしも買う必要はないです。

ここが違います。

それ自体(つまり楽曲)は、ずっと無料です。

 

無料で提供する楽曲で、ファンという価値を作り出して、そのファンの数が増えることで、有料のコンサートチケットやCD、グッズが自然と売れていくような考え方が、本書でいうフリー(無料)です。

 

「何かモノを配って、それを維持して使い続けていくなら、お金が必要です」というようなモデルではありません。

また、「1つ買えばもう1つはタダです」とか「お試し品なのでタダです」というような仕組みとも違います。

 

「お金」以外の価値を作るためにフリー(無料)を利用するというモデルだと理解してます。

 

フリー(無料)を当たり前と思っている世代が中心になっていく

今後の市場は、無料でサービスを受けることが当たり前になっている世代が中心になってくると思ってます。

つまり、無料が当たり前の世代にお金を払わせるような戦略を取ろうとするよりも、無料でサービスを提供しても、稼げる仕組みを作る方がいいと感じました。

 

30歳以上の人は、20世紀型のフリーとともに成長してきたので、当然ながらこのアイデアに懐疑的だ。無料なんてあるはずがない。どうせなんらかの形でお金を払わされるんだ。‥「無料」と聞いたときには、財布に手を伸ばして、守ったほうがいい。
一方、30歳より下の世代は異なる反応をする。「はあ?」。彼らはグーグル世代で、あらゆるサービスが無料であたりまえのオンラインとともに成長してきた。

フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略

 

「30歳」という数字はムシしていいです。

本書は2020年に発売された本ではないですので。

 

それよりは、若い世代が、今の会社の管理職や経営層とは異なる考えであることが重要だと思ってます。

 

若い世代にモノを売ろうとしているのに、上記のようなフリー(無料)に対する考え方の違いを理解していないと、ビジネスがうまくいかないと思います。

 

もしかすると、若くない世代も、フリー(無料)で良いサービスを受けることに慣れてきて、考え方が若者と同じようになっていく可能性も考えられると思ってます。

 

今後のビジネスは、このあたりを良く理解したいと思います。

 

他社のフリー(無料)サービスに対抗するサービスを作りたいと思っている人にオススメしたい

本書では、フリー(無料)でサービスを提供しても事業が成り立つ仕組みなどの例が紹介されています。

 

今後、もしかすると多くの企業が、フリー(無料)でサービスを開始していくかもしれません。

僕も高齢者向けビジネスをフリー(無料)で考えていて、高齢者から集めた匿名データを整理して、それを法人に提供することができないか考えてます。

AIやビッグデータ分析のためのデータ活用です。

 

どうして医療ソフトウェアがタダになるのか?

データを売る:無料ソフトにより、同社が充分な数のユーザー(医師)を集めれば、そこで医師が次々と患者のデータベースをつくる。特定の病院を研究する医療機関は、多数の患者の長期にわたる医療記録を必要としているので、研究対象ごとに(たとえば、ぜんそくを持つ白人で肥満の中年)、匿名にしたデータは50ドルから500ドルで売れる。

フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略

 

本書では強く語られていませんが、「データ」が価値を持つ時代がきていると思ってます。

 

このように、他社のフリー(無料)サービスに対抗し、顧客を奪われないようにするために、本書を読んでおくことをオススメしたいです。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①「無料でいく」と決めたなら、最初から無料で提供する

消費者の心理について、重要な話がありましたので紹介します。

「無料」だからといって、消費者はすべてを喜ばしく思うわけでないということです。

 

人はどうして、場合によって、<無料>を質の低下だと考えるときと、考えないときがあるのだろうか。それは無料に対する感情が絶対的なものではなく、相対的なものだからだ。それまでお金を払っていたものが無料になると、私たちは質が落ちたと考えやすい。でも、最初から無料だったものは、質が悪いとは思わないのだ。

フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略

 

個人的にも上記のように思うことはあります。

無料とか急に値段が安いものを見ると、「賞味期限が切れそうなのかな?」とすぐに思ってしまいます。

 

レストランで無料のベーグルを出されたら古いんじゃないかと思うのに、テーブルに置いてある無料のケチャップはそう思わない。グーグルが質の悪い検索エンジンだと誰も思わない理由は、最初から料金を請求していないからだ。

フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略

 

フリー(無料)でダウンロードするアプリも一緒で、質が悪くてもそこまで文句は言いませんね。

むしろ楽しませてくれてありがたいと思うだけです。

 

消費者心理を考えるなら、無料で提供できそうなサービスは、最初から無料にして変えないことを考えたいと思います。

そのためには、お金を稼ぐ仕組みをキッチリ作ってから提供すべきだと思いました。

 

②「広告主」は無料媒体より有料媒体に広告を載せたい

僕は広告を載せるための媒体をブログで提供している側なので、広告を載せてほしい側の「広告主」の気持ちが分からなかったですが、1つ本書から学びました。

 

広告主は、できれば有料媒体で広告を載せたいと思っているということです。

 

金額はいくらでもかまわないが、小切手を切る、あるいはクレジットカードの番号を入力するという行動は、決断を示す行動であり、それによって広告主が読者を見る目がガラリと変わるのだ。たとえ額面が1セントでも、小切手を切る行為はその雑誌を本当にほしがっていることを示すので、届いたら中を読み、大切に保存するだろうと予想できる。実際に広告主は、いらないダイレクトメールと同じように扱われるかもしれないフリーマガジンに払う掲載料の5倍を、登録した読者が大切にする雑誌には払ってもいいと思っている。

フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略

 

ブログ、YouTube、無料メールマガジンのような無料媒体よりも、有料雑誌、有料動画配信サービス、有料メールマガジンに広告を載せたいと思うようなものだということですね。

 

また、少し違った解釈をすると、「いろいろなことが書かれているブログ」よりも「特定の分野のことが書かれているブログ」の方が、広告主は広告を掲載したくなるのではないかと思ってます。

これは、ブログ運営している僕としては勉強になりました。

 

③価値というのは「お金」だけじゃない、「人気」も価値の1つだ

生活のためにお金を稼いでいるという気持ちが強いと、「価値=お金」と考えてしまいます。

ただ、価値はお金だけじゃないことを気付かされました。

「人気」「注目」「評判」も、価値であるということです。

 

みんなが音楽を無料のものだと考えているのは悲しいわ。私たちの仕事に価値がないと言うのと同じだもの。友だち同士でCDをコピーして音楽を無料で手に入れるのは、アルバムづくりがどんなに大変な仕事なのか理解していないからよ。
- シェリル・クロウ、『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』のインタビューより

どこがまちがっているかわかっただろうか。価値の物差しが金銭しかないというところだ。ウェブは主にふたつの非貨幣単位で構成されている。注目(トラフィック)と評判(リンク)だ。両方とも、無料のコンテンツとサービスにおいてとても重要なものだ。

フリー - <無料>からお金を生みだす新戦略

 

僕はアーティストではないですが、音楽をコピーするのは良いことだと思ってません。

フリーで提供するのは戦略を持ったアーティストがすることであって、消費者が勝手にするのは違うと思ってます。

 

本書では、フリーで音楽を提供し、ファンを激増させて、コンサートチケットやグッズを売るという戦略ですが、こういう仕組みができていないのであれば、フリーで提供すると困るのは当たり前です。

 

ゲームやMicrosoftのOffice製品のようなものが、コピーして使われると損しかしないと思ってます。

 

上記の引用文では、そこではなく、「価値の物差し」はお金だけではないというところを学びました。

 

「注目」や「評判」を集めることも価値という発想を持ちたいです。

そして、その2つの価値を利用して、新しい何か稼げる仕組みを利用したいと思ってます。

 

2020年現在、芸能人がYouTubeに参入しています。

チャンネル登録数を10万人とか100万人とか増やすには、一般人は難しいのに、芸能人は1週間で達成したりしてます。

 

これは、今までTVやラジオ、雑誌などで、人気を集めていた結果だと思ってます。

 

人気という価値は、別の媒体でもうまく利用できるという例だと思いました。

 

このため、ビジネスにおいては、お金を稼ぐことだけでなく、「人気」という価値を作ることにも重点をおいていきたいと思ってます。

 

2. 終わりに

本書は僕にとって非常に有益な本となりました。

今後も読み返す本として認定しました。

 

世の中はいろいろな変化をしています。

この変化をとらえ、それに合わせてビジネスをすることが、成功をつかみ、成功し続けるコツだと思ってます。

 

そのためには、このような、新しい流行や考え方を本で学ぶことは、止めてはいけないと思ってます。

 

ただ、当然ながら、本書に書いていることも、変わっていくと思ってます。

情報は常にアップデートさせないといけないということですね。

 

とりあえず2020年現在は、まだフリー(無料)のサービスが増えてます。

フリー(無料)に関するビジネスモデルや考え方を知りたい人は、ぜひ本書を読んでみてください。

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