【6冊目】「ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるか?」

記事まとめ

  • 「ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?(著者:ダニエル・カーネマン)」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「日常生活でだまされないように生きるコツや、ビジネスにおいて製品やサービスをお客さまに手に取ってもらうコツ」を学んだ
  • 心理学(人の心を動かす)を日常生活やビジネスに活かしたいと思う方に本書をオススメしたい

 

「ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?(著者:ダニエル・カーネマン)」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「日常生活やビジネスなどあらゆる環境における、人の心の動きや感じ方を学び、相手からだまされて不要なものを購入しないよう自己防衛したり、相手の心を動かすような製品・サービスの紹介ができるような、手助けとなる本」です。

 

本書は下巻です。

上巻については、以下の記事でまとめています。

 

本書は読みごたえがある本です。

上巻と下巻がありますが、上巻を読むのに8時間50分、下巻を読むのに5時間30分かかりましたので、上下巻合計で14時間20分かかってます。

 

下巻についても上巻と同様、さまざまな研究者の実験を引き合いに出して、それを根拠として心理学を説明してくれる本です。

 

上巻で説明される内容を基礎として話が進みますので、下巻だけを読んでも理解できないと思われます。

必ず、上巻から読むことをオススメします

 

下巻も上巻と同様、日常生活に使えそうな心理学、ビジネスに応用できそうな心理学が学べます。

さらに、経済学や人生における幸福に関してまで足を踏み込みます。

 

本記事では、上巻と同様、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。



 

1. 「ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?(著者:ダニエル・カーネマン)」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?(著者:ダニエル・カーネマン)」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?」です。

 

「ファスト&スロー」は「Fast and Slow」です。

Fast(速い)とSlow(遅い)です。

これは上巻に記載がありますが、システム1とシステム2という概念になっています。

 

机の上にデスクライトがあることを教えてくれるのは知覚、ロシアの首都名を思い出させてくれるのは記憶である。‥私はこれをシステム1とシステム2という二つの主体になぞらえて説明する。‥速い思考を行うのがシステム1、遅い思考がシステム2である。‥最初の研究成果によれば、経験から学んだことよりも直感的なシステム1のほうが影響力は強い。つまり多くの選択や判断の背後にあるのは、システム1だということである。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

上記引用文のとおり、システム1は直感、システム2は記憶です。

 

あまり意識しないでも答えられるものはシステム1です。

また、少し考えないと答えられないものはシステム2です。

 

上記引用文では、「ロシアの首都名」をシステム2に定義しているのですが、日本人であれば、「日本の首都名」はシステム1になる人もいると思います。

要は、「東京だ」と考えなくても出てくる人は、システム1の状態だということです。

 

つまり、国や文化、性別、過ごしてきた環境などで、人によりシステム1かシステム2になるか違いはあると思います。

 

上巻では、このシステム1について多くの心理学的な説明をしています。

下巻では、システム1とシステム2について、経済学や株式投資、幸福や人生などに広げて説明しています。

 

原著について

本書は翻訳本です。

原題は「THINKING, FAST AND SLOW DANIEL KAHNEMAN」です。

 

原著は上下2巻に分かれていないようです。



 

1-2. 著者について

著者は、「ダニエル・カーネマン」です。

 

僕が調べた限りですが、2020年2月現在、webページやTwitterは運用されていないように思います。

 

経歴

「ダニエル・カーネマン」の経歴については、Wikipedia(ダニエル・カーネマン)が詳しいです。

 

心理学者、行動経済学者となってます。

 

また、特に注目すべきところとして、「2002年にノーベル経済学賞を受賞」は外せませんね。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
第22章 エキスパートの直感は信用できるか
- 直感とスキル
第23章 外部情報に基づくアプローチ
- なぜ予想ははずれるのか
第24章 資本主義の原動力
- 楽観的な起業家
第25章 ベルヌーイの誤り
- 効用は「参照点」からの変化に左右される
第26章 プロスペクト理論
- 「参照点」と「損失回避」という二つのツール
第27章 保有効果
- 使用目的の財と交換目的の財
第28章 悪い出来事
- 利益を得るより損失を避けたい
第29章 四分割パターン
- 私たちがリスクを追うとき
第30章 めったにない出来事
- 「分母の無視」による過大な評価
第31章 リスクポリシー
- リスクを伴う決定を総合的に扱う
第32章 メンタル・アカウンティング
- 日々の生活を切り盛りする「心理会計」
第33章 選好の逆転
- 単独評価と並列評価の不一致
第34章 フレームと客観的事実
- エコンのように合理的にはなれない
第35章 二つの自己
- 「経験する自己」と「記憶する自己」
第36章 人生は物語
- エンディングがすべてを決める
第37章 「経験する自己」の幸福感
- しあわせはお金で買えますか?
第38章 人生について考える
- 幸福の感じ方
結論 二つの自己
エコンとヒューマン
二つのシステム

 

「だ・である調」

本書は、「です・ます調」ではなく、「だ・である調」です。

本ブログのような「○○です。」という文ではなく、「○○である。」という文になります。

 

上記の目次を見るとわかるように、心理学の専門用語が出てきます。

もしかすると大学の授業で教科書として使われているのかもしれません。

 

僕は心理学専攻の学生ではないので、そういった専門用語はムシして読み進めていきました。

それでも、「得られるものはたくさんあった」と思ってます。

 

概要

上巻と同様、さまざまな心理学の実験結果や書物を引用し、著者の「システム1とシステム2という考え方」を説明しています。

 

システム1とシステム2の基本的な話ではなく、経済学や株式投資、幸福や人生まで話を広げています。

 

著者の主張は上巻から変わりません。

僕は、「直感(システム1)だけで判断し続けると危険だ」と主張していると感じました。

 

経済においても、多くの人が直感だけで判断しています。

少し考えたら違う行動をとるにもかかわらず、多くの人が考えることをせずに直感で行動しています。

 

これは悪いことではないです。

人の脳がそういう働きをするからです。

 

「直感(システム1)は自動的に起きることで、考えて行動すること(システム2)は怠け癖があり、機能したがらない

 

人として間違った行動ではないですが、悪い人はそこにつけ込んできます

そしてだまされる。

または、その人にコントロールされる。

 

その結果、損をするかもしれません

それは嫌ですよね。

 

本書を読むことで、「人にコントロールされないこと」を意識するようになると思います。

 

僕はより一層、だまされにくくなったと思ってます。

 

また、「だます」という表現ではなく、テクニックとしてビジネスに応用できる例もたくさんありました。

 

・顧客のアンケート結果が、上司や経営者を説得する、自身の提案資料の一部となるなら、自身が想定する結果に有利なアンケートにする
・顧客の本音を知りたいアンケートは、質問形式により誘導しないような文章を考える

 

これらはビジネステクニックと考えることもできます。

 

このように僕としては、「疑うことでだまされないようになること」や「ビジネステクニックに応用させること」を学ぶことができました。

 

つまり、本書は、日常生活に活用したい一般人、ビジネスに活用したい起業家や社会人など、ほとんどの人に有益な情報を与える本だと思います。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①目標を立てた後、行動が続かない場合、損失目標を立ててみる

僕は目標を立てるのが好きです。

「その目標に向かって行動すればいい」という方向性が定まりますし、目標を達成することで「達成感」を味わうことができるからです。

 

ただ、目標設定がうまくいかず、達成できずに途中でやめてしまうことは何度もありました。

 

僕はいつも、利得を手に入れようとする目標の立て方をします。

「○○に合格したら、●●を購入する!」というような目標です。

 

本書を読んで、上記のような利得を手に入れようとする目標がうまくいかない人もいるということがわかりました。

 

人間に限らず動物の脳には、悪いニュースを優先的に処理するメカニズムが組み込まれているからだ。‥損失回避は、二つの動機の相対的な強さを表すということもできる。すなわち、利得を手に入れようという動機よりも、損失を避けようとする動機のほうが強いのである。‥目標を達成できなければ損失、目標を上回れば利得というわけだ。‥目標に届かない失敗を避けようとする動機のほうが、目標を超えたいという願望よりもはるかに強く働く。

ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

僕はリスク回避(損失回避)の傾向が強いです。

楽観的なところもありますが、基本的に疑い深く、損失を避けようとしていると自己分析しています。

 

ただ、目標を立てるときは、利得を手に入れようとする動機が強く出ていました。

 

・この資格に合格したら、資格祝金(5万円)を貰えるから頑張る
・この大学に合格したら、バラ色の人生が待っているだろうから頑張る
・TOEIC900点を取得できれば、運営するブログの権威性が高まり収入が増えるだろうから頑張る

 

基本的に、「○○に合格したら、●●が手に入る」という利得を考えて目標設定していました。

 

利得を得ることを考えるほうが、気持ちが高まり、行動を起こしやすい人もいると思います。

 

ただ、リスク回避の傾向が強い人は、損失を避けるような目標設定の方が良いのではないかと考えるようになりました。

下記のように、「○に合格しないと、●を得られなくなる‥。だから頑張る!」という損失を避けるような設定の仕方です。

 

・この大学に合格しない場合、別の大学に行くことになり、就職もうまくいかず人生が散々な結果に終わるかもしれない‥
・インターネットビジネスに成功して月収10万円を稼げないと、食費や家賃が払えず、生きていけない
・この資格に合格しないと、死ぬ!

 

ネガティブな目標設定ですが、こちらの方が合う人もいるのではないかと思ってます。

 

飢餓感・ハングリー精神もこれと同様だと思います。

 

頑張らないと死ぬ、だからやる。

 

これが1番強い動機になると思ってます。

 

利得を得る目標は数が多すぎる

利得というのは数が多すぎて、1つに絞れないこともあまりよくないと思ってます。

「欲しいものを挙げてください」と言われたら、数え切れないほどあります。

 

欲しいもの
・AudiR8というスーパーカー
・車を置けるガレージ付きの家
・サンドバックを設置できるような家
・高級ブランドの帽子
・高級ブランドのサングラス
・シネマカメラ用のレンズ
・新型のiPhone

 

目標達成後の利得は上記から選ぶのですが、欲しいものは日に日に変わることもあります。

そのため、目標達成するための動機として、弱くなることもしばしばありました。

 

逆に、損失を失わないような動機はあまり多くはありませんし、変わりません。

 

僕なら「必要最低限の生活」です。

これしかありません。

 

最初は月収10万円で、食費、家賃、光熱費、通信費、国民年金、各種税金が払えれれば生きていけると思ってます。

これが第一目標です。

 

その後は、老後のために、国民年金基金や守りの投資でしょう。

ここまでは損失回避の目標になると思います。

 

僕は脱サラ/起業を成功させたいと思っていますが、上記のような損失回避の目標を設定する方が良いと考えましたので、今後の目標設定に活かそうと思います。

 

利得取得目標は続かない

損失回避の目標が達成されたら、利得取得の目標に変えてもいいと思ってますが、それだと続かないかもしれません。

 

達成しなくても生活ができているから別にいいや

 

僕はサラリーマン時代に、副業としてブログ運営に挑戦しましたが続きませんでした。

おそらく、サラリーマン収入で生活していたからです。

「車が欲しいから副業を頑張る」という動機では続きませんでした。

 

そのため、例え生活ができるようになったとしても、「損失回避」の動機を探して、それを目標に掲げていこうと思います。

 

今はまだそのことは考えず、とにかく「最低限の生活ができる」ように、脱サラ/起業の成功を目標とさせる予定です。

 

②利得と損失の重さを意識した交渉術

サラリーマン時代に、僕は多くの交渉を行っていました。

ネットワークエンジニアとして、システムや新サービスの設計開発を行っていたのですが、社内の保守派への説得が多かったです。

また、新規ネットワーク機器の選定においては、外部の販売代理店との話し合いも行っていました。

 

ビジネスを行う人は、「交渉」を避けて通れないと思っています。

本書に、その交渉についてのヒントがありましたので紹介します。

 

あなたが私に譲歩すれば私にとっては利得だが、あなたにとっては損失になる。したがってあなたが感じる苦痛は、私が感じる満足より強い。‥人間も含めてあらゆる動物は、得をするより損を防ぐことに熱心である。

ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

交渉は、どちらかが折れる(譲歩する)ことが多いと思っています。

お互いがそれぞれで譲歩するということもあるでしょう。

 

このとき、「自分が大きな損失を感じて譲歩したとしても、相手はその譲歩を受けても大きな得だと感じない」ということに注意すべきかと思います。

 

多くの人は、得より損の方に意識がいくようです。

 

ここを理解していないと、「こちらはこれだけ大きな損失(の気持ち)を受けたのに、さらに交渉してくるとは何事だ!」となり、交渉がうまく進まなくなると思います。

 

交渉は気持ちが大事だと思ってます。

上記より、相手に対して得や満足感を与えようとするより、「いかにこの交渉で損失を少なくさせたか」を理解させる方が、交渉をうまく進めることになるのではないかと考えました。

 

僕はまだこの交渉戦略を使っていませんが、今後使えるように、頭の片隅に置いておこうと思います。

 

③言葉のテクニックに惑わされないことと惑わす

本書の上巻にも言葉や文章の心理学的テクニックはたくさん出てきました。

共通して言えることは、「直感(システム1)で物事を考えようとし、深く考えない人が多い」ということです。

 

ある調査によると、「この病気にかかると1万人に1286人が死ぬ」という情報と「この病気の死亡率は24.14%である」という情報が示されたとき、かなりの人が、前者の方が危険だと判断した。しかし、実際には、前者の死亡率は後者の半分にすぎない。

ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

自身で紙に書いてでもいいので計算する(頭を使う:システム2)と、理解できるはずです。

ただ、多くの人は、直感(システム1)で物事を考えてしまうため、本当のことを理解しないまま進んでしまうという危険の例です。

 

日常生活における自己防衛対策としては、やはり、少し考えて物事を進めていくことでしょう。

 

逆にビジネスへの応用としては、見せたくないが見せないといけない数値情報は、上記の引用文のように、わかりにくく公開することでしょう。

嘘はついていませんから非難されることはないと思います。

 

また、もう少し補足しますと、さらに数値を具体的にしても、直感で判断する人が多いようです。

 

そのうえ「この病気にかかると1万人に1286人が死ぬ」という情報と「この病気にかかると100人に24.4人が死ぬ」という情報が示されたときにも、前者がより危険だと判断された。これは分母の無視が端的に表れた例と言えよう。二つの例の分母をそろえて直接比較できるようにしていたら、システム2が判断を下すので、こうしたことは起きなかったにちがいない。

ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

おそらく本ブログを読んでいる人は上記引用文を見ても勘違いしないと思います。

僕が「騙される騙されない」の趣旨で説明している文だからです。

 

これが、CMで急に表れたり、セミナー資料で出てきたり、わりと速いスピードで読んでいる雑誌記事や雑誌広告で出てきたら、わざわざ計算をせず、直感だけで判断する人が多くなるのだと思われます。

 

気をつけないといけないと思います。

 

④「損失」は人を嫌な気持ちにさせる

「損失」したという気持ちは、得よりも大きく感じるようですが、少し興味深い話がありました。

「費用」を損失と考えない人が多いということです。

 

 10%の確率で95ドルもらえるが、90%の確率で5ドルを失うギャンブルをやる気がありますか?
10%の確率で100ドルもらえるが、90%の確率で何ももらえないくじの券を5ドルで買う気はありますか?
まずはじっくり考えて、二つの問題が全く同じであることをよく納得してほしい。どちらの場合も、いい目が出れば95ドル得をし、悪い目が出れば5ドル損をすることになる。‥実際には、二番目にだけイエスと答える人が圧倒的に多い。これは、外れたくじに払ったのは費用だと考えるため、ギャンブルの負けよりはるかに受け入れやすいからである。

ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

費用も損失だと思います。

自身のお金が減っていくわけですからね。

 

ただ、それよりは、ギャンブルで負けたというような気持ちが強い損失の方を嫌がる傾向があるようです。

 

同じ損失でも、気持ちに左右されているのだと思います。

これは直感(システム1)です。

頭で考える(システム2)をしなければ、気持ちだけで物事を進めていくという危険の例です。

 

製品やサービスを提供する側の視点としては、「顧客に損失と感じさせない」という戦略を考えた方がいいということだと思います。

 

冷静に考えれば同じことでも、顧客に与えるイメージや顧客がとらえたイメージにより、「損失」だと感じさせない紹介の仕方をすべきでしょうね。

 

⑤質問の仕方に気を付ける

僕はビジネスにおいてアンケートをとったことはないですが、アンケートの仕方に応用できそうな興味深い内容がありましたのでご紹介します。

 

事故死の場合の臓器移植に関する意思表示は、多くの国で、免許証に記載されている。この意思表示の仕方も、フレームによって大きなちがいが出ることを示すもう一つの例である。‥
たとえば2003年に発表された記事によると、オーストリアは100%に近い。これに対して、隣国のドイツはわずか12%である。またスウェーデンは86%なのに、同じ北欧のデンマークは4%である。これほどのちがいが出るのは、この重要な質問の形式におけるフレーミング効果が原因なのである。
つまり提供に同意する率の高い国では、提供したくない人は所定の欄にチェックマークを入れなければならない(オプトアウト方式)。これをしない場合には、提供の意思があるとみなされる。
一方、同意率の低い国では、提供したい人が所定の欄にチェックマークを入れなければならない(オプトイン方式)。これだけのことである。

ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

僕もアンケート用紙に記入するのが面倒な時は、チェックマークを入れなくて良い設問は、考えが迷うようなときはチェックを入れないようにする傾向があります。

空欄があり、「もし他に書きたいことがあれば書いてください」という欄は、面倒な時は書かずに提出していました。

 

人は面倒ごとや不便なことは避けようとする方が多いのではないかと思っています。

楽な方へ流れていく。

 

そのため、以下のようなアンケートにすべきだと考えました。

下記は本書に書いてあったわけではなく、僕が考えたものです。

実際に実験してみて、自分でも評価すべきだと思ってます。

 

顧客の本音を聞きたいアンケート
・チェックマークをする/しないで判断するような形式を取らない
・少し面倒でも、はい/いいえの文字を書かせるような形式にする
・書いても書かなくてもいいような曖昧な質問ではなく、書くように促す
(何もなくても「特にありません」と書かせる)

 

社内の人間を説得させるためのアンケート
・自分が答えて欲しいと思わせるような質問形式にする
(チェックマークを入れなければ、自分が答えて欲しい側になるようにする)

 

「社内の人間を説得させるためのアンケート」例は、よくない例と思うか思わないかは、その人次第でしょう。

テクニックと捉えるか否か。

 

上司や経営者を説得するための材料としてアンケートを使う場合、僕はテクニックと考えてもいいと思ってます。

 

純粋にアンケートをしたい場合にはよく考える

逆に、純粋に顧客の声を聞きたい場合は、相当注意してアンケートの質問形式を考える必要があると思いました。

質問形式が無意識に答えを誘導してしまう場合があるからです。

 

本書を読んだ人なら、「質問を考える人も、直感(システム1)で作っていく人が多いだろう」と考えると思います。

 

意識して作っていかないと(システム2を働かせて)、成果が得られないアンケートを作り、自身も顧客も、時間を無駄にしただけという残念な結果となってしまうかもしれません。

これは避けないといけませんね。

 

⑥ピーク・エンドの法則を忘れないようにしたい

ピーク・エンドの法則は今までも聞いたことがありましたが、本書でも出てきて、改めて「覚えておこう」と思えるような法則でした。

 

・ピーク・エンドの法則 - 記憶に基づく評価は、ピーク時と終了時の苦痛の平均でほとんど決まる。
・持続時間の無視 - 検査の持続時間は、苦痛の総量の評価にはほとんど影響をおよぼさない。

ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

今後、「ツライ‥」と感じることがあっても、それはピーク時と終了時だけで判断していないかを自問する必要があると思いました。

それ以外では楽しい出来事だったかもしれません。

きちんと評価しないといけないと思いました。

 

また、他人に対しては以下のような応用ができると思ってます。

 

勉強を頑張っている子どもへ
・勉強時間が終わったらおやつなどを持って行き、終了時を楽しく終わらせる
・テスト結果が悪くても頑張っていたら、「がんばったね!」と褒めて、終了時を楽しく終わらせる

 

仕事を頑張っている部下や後輩へ
・1日の仕事が終わったら「お疲れ」などの声をかけたり楽しい話をして笑顔にさせ、終了時を楽しく終わらせる
・長いプロジェクトが終わったら、打ち上げや飲み物一杯でも渡して、終了時を楽しく終わらせる

 

例え結果があまり良くなかったとしても、本人としては本気で取り組んでいたとしたら、終了時は褒めた方がいいと感じました。

終了時に叱られて終わったら、もう2度とそれを「したい」と思わないでしょう

 

逆に、すべてがきつい勉強やプロジェクトだったとしても、最後が良ければ、それをケロっと忘れて、また新しいことをためらわずに引き受けることになると思います。

 

ただし、上記は、あくまでも直感(システム1)で物事を考える人について言えることですけどね。

 

勉強内容や仕事内容を冷静に判断するタイプの人は、何をやっても通用しないかもしれません。

 

その人がどっちの傾向が強いかを分析するのも、親や上司、先輩の仕事なのかもしれません。

 

⑦人生を楽しく終えることを実現させるビジネスをする

僕はピーク・エンドの法則を、ビジネスにしたいと思ってます。

これは高齢者向けのビジネスに応用していく予定です。

 

とてもしあわせな人生に「以前ほどしあわせでない」5年間が加わっただけで、被験者はしあわせの総量を大幅に減らしている。

ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

「終わり良ければすべてよし」という言葉は、人生にも通ずる言葉だと思います。

 

・高齢者になるまで仕事も趣味も一生懸命頑張って社会貢献したが、高齢者になってから自動車事故を起こして人を殺めてしまった‥
・家族と楽しく過ごした人生だったが、死ぬ直前の人生は、孤独になってしまった‥

 

上記は誰にでも起こると思ってます。

 

独身ではなく結婚していても、結婚相手と同時に死ぬことは少ないと思いますので、孤独な高齢者になることもあると思います。

子どもが介護をしてくれたり、介護施設へ入らないと、孤独な老後生活は避けられないでしょう。

 

人生を生きてきて、辛いこともなんとか乗り越えて頑張ってきたたくさんの人たちが、最後の最後で交通事故を起こして非難されて、そのまま悪い印象のまま人生を終える‥

 

こんな人生、誰でも嫌だと思います。

 

今までやってきたことをすべて否定する必要は、ないと思います。

ただ、それを帳消しにするくらいのことをやってしまうことが実際起きてます(特に交通事故)。

 

交通事故を起こさせず、良い人生として人生で終わらせるようにすることが、ビジネスになると考えました。

こちらは、2020年11月から本格的に実施していきたいと考えてます。

 

家族や友人にすぐにできること

また、すぐに実践できることもあります。

 

・何年間も会えなかった家族や友人の最期の入院では、何回も顔をみせる

 

例え、喧嘩別れしたとしても、ただ単純に里帰りをする時間がなくてしなかっただけでも、終わり良ければすべてよしです。

 

最期の最期に、顔を見せ続け、楽しい人生だったと思わせてあげることが、最高のプレゼントになるのではないでしょうか?

 

僕はそう感じました。

 

親孝行ができていないですが、もし親の死に目に会えることができるなら、僕は仕事を捨ててでも顔を見せにいくことにします。

 

本書を読んで、こうすることが、今までのこと(悪いこと)をすべて帳消しにして、その人が「人生は良いものだった」と思いながら旅立っていくことができる唯一の方法だと感じました。

 

2. 終わりに

本当はもっとお伝えしたい情報があるのですが、あまりにも文字数が多くなるのでここでやめておきます。

ぜひ本書を読んでみてもらいたいです。

 

下巻は経済学の話や株式投資の話もあり、難しいことも書かれています。

そして、最後には人生のことが書かれてます。

そのため、やはり、あらゆる人にオススメできる本だと思います。

 

著者が提案しているシステム1とシステム2について、下巻の最後の方にもまとめられていました。

 

「システム1が○○をした」という表現は、「○○が自動的に起きた」という意味であり、「システム2を呼び出して××をした」という表現は、「興奮度が高まり、瞳孔が開き、注意力が集中して××が行われた」という意味である。

ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

僕はこの「システム1」「システム2」という考え方に納得しました。

今後、日常生活やビジネスでは、このシステム1とシステム2という考え方を取り入れようと思っていますし、本書で引用されている参考文献を読もうと思っており、そのときにこのシステム1とシステム2のどちらであるかを意識して読もうと思っています。

 

本書について(上下巻ともに)、「自分は信じない」という意見もあると思います。

僕も全部を信じてはいません

日本という文化や環境で、実験結果が合わないものもあると思ってます。

 

ただ、研究者のやり方が面白いと感じました。

つまり、仮説を立て、実践(実験)して、評価分析をすることです。

 

これは、あらゆる人が必要なスキルだと思っていますし、みんなやっていることだと思います。

エンジニアだけでなく営業部門の人も、理系文系問わず、実施していることです。

 

日常生活でも、友達を遊びに誘うとかデートに誘うとか、そういったところでも活用できる方法ではないかと思ってます。

 

大事なのは、実践(実験)でしょうね。

 

「自分が住んでいる環境や、自分が実施しているビジネスで、各心理学の実験結果が合うか合わないかを確認する」

これを自身で試していく必要があると思いました。

 

「何も考えずに思いついたものを実施して、評価をせずに、たまたま製品・サービスがヒットした」
よりは、
「仮説や実践の評価によって、失敗したものを捨て続けて、成功する方法を見つけた」
方が、成功が長続きすると思ってます。

 

自分が何をやっているかが明確なのでそれを続ければいいし、時代や環境の変化に合わせて、方向修正もできるからです。

 

本書を学んで、とにかくダメなことは、直感(システム1)で物事を進めることだと強く印象づけられました。

少しでいいので考えるようにして、システム2を呼びおこなさないとダメだと思ってます。

 

他人に騙されないように、逆に、他人に対して行う戦略を練るために、本書は非常に有益になる本だと思いました。

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