【5冊目】「ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるか?」

記事まとめ

  • 「ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?(著者:ダニエル・カーネマン)」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「日常生活でだまされないように生きるコツや、ビジネスにおいて製品やサービスをお客さまに手に取ってもらうコツ」を学んだ
  • 心理学(人の心を動かす)を日常生活やビジネスに活かしたいと思う方に本書をオススメしたい

 

「ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?(著者:ダニエル・カーネマン)」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「日常生活やビジネスなどあらゆる環境における、人の心の動きや感じ方を学び、相手からだまされて不要なものを購入しないよう自己防衛したり、相手の心を動かすような製品・サービスの紹介ができるような、手助けとなる本」です。

 

本書は読みごたえがある本です。

上巻と下巻がありますが、上巻をすべて読むのに、8時間50分かかりました。

 

さまざまな研究者の実験を引き合いに出して、それを根拠として心理学を説明してくれる本です。

 

「スーパーで本日限定商品があると買ってしまう」
「値引き前の価格を高く設定しておくことで、購入者が得した気分になる」
「訪問販売で考える時間を与えないスピード感で話しかけられて、必要でないものを買ってしまった」

 

本書を読むと、上記のようなことは心理学で学べるテクニックだとわかりました。

ただ上記は、悪いこととして捉える人もいるかもしれません。

だまされたようなイメージです。

 

僕は、以下のような考えとなりました。

嘘をつかれて必要ないものを買わされたら、悪。」
「嘘ではないなら、心理テクニック/ビジネステクニックなので、問題なし。」

 

これは2020年2月の僕の意見ですので、今後変わっていくかもしれませんが、心理学テクニックをうまく使ってビジネスを成功につなげていくことは戦略の1つだと思います。

ただし、嘘をつくのはNGと思ってます。

 

また、日常生活においては、上記のような心理学はすでに使われているため、自己防衛しないといけません。

例え嘘をつかれていないとしても、それほど必要ない製品やサービスを購入してしまい、限りあるお金を使ってしまうことは避けなければなりません。

 

そういう意味で、本書は、自分を守るためにも利用できると思いました。

 

本書はこのように、実用的な本だと思いました。

心理学を学ぶという側面もあり、日常生活に活用するという側面もあります。

これは本書を読んだ人がどのように活用するかによって変わると思います。

 

本記事では、「脱サラ/起業を考えている僕」と「人や世間にだまされないように生きたい僕」の2人の僕の視点で、ご紹介してみたいと思います。


1. 「ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?(著者:ダニエル・カーネマン)」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?(著者:ダニエル・カーネマン)」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?」です。

 

「ファスト&スロー」は「Fast and Slow」です。

Fast(速い)とSlow(遅い)です。

これは、本書の序盤に記載がありますが、システム1とシステム2という概念になっています。

 

机の上にデスクライトがあることを教えてくれるのは知覚、ロシアの首都名を思い出させてくれるのは記憶である。‥私はこれをシステム1とシステム2という二つの主体になぞらえて説明する。‥速い思考を行うのがシステム1、遅い思考がシステム2である。‥最初の研究成果によれば、経験から学んだことよりも直感的なシステム1のほうが影響力は強い。つまり多くの選択や判断の背後にあるのは、システム1だということである。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

上記引用文のとおり、システム1は直感、システム2は記憶です。

 

あまり意識しないでも答えられるものはシステム1です。

また、少し考えないと答えられないものはシステム2です。

 

上記引用文では、「ロシアの首都名」をシステム2に定義しているのですが、日本人であれば、「日本の首都名」はシステム1になる人もいると思います。

要は、「東京だ」と考えなくても出てくる人は、システム1の状態だということです。

 

つまり、国や文化、性別、過ごしてきた環境などで、人によりシステム1かシステム2になるか違いはあると思います。

 

本書では、このシステム1について多くの心理学的な説明をしています。

 

「少し考えれば必要ない商品だと判断するはずなのに、その考える時間を与えないまま商品を売りつけられたら、購入してしまう」

 

システム2ではなく、システム1で判断し続けることは危険だということを学ぶことになるでしょう。

 

原著について

本書は翻訳本です。

原題は「THINKING, FAST AND SLOW DANIEL KAHNEMAN」です。

 

原著は上下2巻に分かれていないようですね。


1-2. 著者について

著者は、「ダニエル・カーネマン」です。

 

僕が調べた限りですが、2020年2月現在、webページやTwitterは運用されていないように思います。

 

経歴

「ダニエル・カーネマン」の経歴については、Wikipedia(ダニエル・カーネマン)が詳しいです。

 

心理学者、行動経済学者となってます。

 

また、特に注目すべきところとして、「2002年にノーベル経済学賞を受賞」は外せませんね。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
第1章 登場するキャラクター
- システム1(速い思考)とシステム2(遅い思考)
第2章 注意と努力
- 衝動的で直感的なシステム1
第3章 怠け者のコントローラー
- 論理思考能力を備えたシステム2
第4章 連想マシン
- 私たちを誘導するプライム(先行刺激)
第5章 認知容易性
- 慣れ親しんだものが好き
第6章 基準、驚き、因果関係
- システム1のすばらしさと限界
第7章 結論に飛びつくマシン
- 自分が見たものがすべて
第8章 判断はこう下される
- サムの頭のよさを身長に換算したら?
第9章 より簡単な質問に答える
- ターゲット質問とヒューリスティック質問
第10章 少数の法則
- 統計に関する直感を疑え
第11章 アンカー
- 数字による暗示
第12章 利用可能性ヒューリスティック
- 手近な例には要注意
第13章 利用可能性、感情、リスク
- 専門家と一般市民の意見が対立したとき
第14章 トム・Wの専攻
- 「代表性」と「基準率」
第15章 リンダ
- 「もっともらしさ」による錯誤
第16章 原因と統計
- 驚くべき事実と驚くべき事例
第17章 平均への回帰
- 誉めても叱っても結果は同じ
第18章 直感的予測の修正
- バイアスを取り除くには
第19章 わかったつもり
- 後知恵とハロー効果
第20章 妥当性の錯覚
- 自信は当てにならない
第21章 直感対アルゴリズム
- 専門家の判断は統計より劣る

 

「だ・である調」

本書は、「です・ます調」ではなく、「だ・である調」です。

本ブログのような「○○です。」という文ではなく、「○○である。」という文になります。

 

上記の目次を見るとわかるように、心理学の専門用語が出てきます。

もしかすると大学の授業で教科書として使われているのかもしれません。

 

僕は心理学専攻の学生ではないので、そういった専門用語はムシして読み進めていきました。

それでも、「得られるものはたくさんあった」と思ってます。

 

概要

心理学の教科書のようなイメージもありますが、専門用語とその説明が続くようなものではないですし、教科書を読んで勉強している感覚はなく、本を読んでいるという感覚です。

 

本書は、さまざまな心理学の実験結果や書物を引用し、著者の「システム1とシステム2という考え方」を説明している本です。

 

実験結果や書物を根拠として示しているため、より納得できるようになると思います。

「著者の考えや経験だけで説明しているような本ではない」ということです。

 

基本的に、「直感(システム1)」について説明しています。

直感だけで判断し続けると危険だ」と僕は学びました。

 

ただ、そう分かっているだけではダメなのです。

なぜなら、あらゆる人たちが、直感だけで判断するようなテクニックを使ってくるからです。

 

例えば、以下のようなテクニック(悪い例?)です。

 

・考える時間を与えないように話し続ける
・別の行動中に話しかけられる(難しい契約書を読んでいる中や書類に書き込み中など)

 

上記のテクニックを悪用されたら、少し考えれば断るような商談も、つい直感で承諾してしまいます。

 

これは、あなたや僕が悪いのではなく、「もともと人間はそういう心理行動を起こすものだ」と思っていいと思ってます。

普通の行動を取っただけです。

それが悪用されただけで‥。

 

このように、本書を読むと、「人にだまされにくくなる」と思います。

 

そして、人によっては僕と同じように、「世の中すべてのことが信じられなくなる、もしくは、疑うようになる」でしょう。

 

本書を疑うようになるが、それでいい

本書を読むと、本書に対しても疑うでしょう。

 

・本書は日本で行われた実験結果じゃない
・実験は学生などが多く、社会人は違う結果になるかもしれない
・実験に参加する人数が少ない

 

本書を疑うようになったのですが、僕はこれで良いと思ってます。

あなたは以下のどちらがいいですか?

 

世の中を疑う人
・本当のうまい話を疑ってしまい、得することができなかった
・嘘のうまい話を疑ってしまい、損をすることはなかった

 

世の中を疑わない人
・本当のうまい話を疑わなかったため、得した
・嘘のうまい話を疑わなかったため、損した

 

得を失うか、損を被るか。

どちらも嫌でしょう。

 

ただどちらかというと僕は、プラスだったものが0になるほうがマイナスになることより、ましです。

損をしたくないです。

だまされたくないです。

 

こういう考えの人は、本書を読み、世の中のことを疑り深くなることは悪くないと思います。

 

また、本書をすべて信じることができないことは正しいと思っています。

 

人は文化や生きてきた環境によって、物事に対する考え方が違います。

 

例えば、「幼稚園の先生は男性と女性のどちらが多いか?」と質問されたとします。

 

生まれてから30年間、「幼稚園の先生が女性である状況を見続けてきた人」は、「女性のほうが多い」というでしょう。

逆に、「幼稚園の先生が男性である状況を見続けてきた人」は、「男性のほうが多い」というでしょう。

 

本書にも、上記のような状況を前提とした心理学的な実験が多いです。

 

特に、本書で質問される内容についても、「日本人」の僕が、イメージがつきにくい質問もありました。

 

「ジェーン」というのが男性か女性かと言われたとき、英語に慣れている日本人ならさっと答えられるでしょうけど、英語に興味がない日本人は答えられないと思います。

 

心理学的実験には、こういった、文化や環境により植え付けられてきたイメージが前提としてあると思ってます。

 

そのため、本書の内容を、「日本」ですべて使えると思えません。

ただ、使える部分もあると思いますし、考え方がわかりますので、「日本人ならどうなるだろう」と考えて応用できると思ってます。

「ジェーン」の例で言うと、「花子」は男か女かと言う内容に置き換えることもできます。

 

このように僕としては、「疑うことでだまされないようになること」や「ビジネステクニックに応用させること」を学ぶことができました。

 

つまり、本書は、日常生活に活用したい一般人、ビジネスに活用したい起業家や社会人など、ほとんどの人に有益な情報を与える本だと思います。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①思い込みに負けない

世間のニュースに惑わされ、踊らされ、それにより、印象を変えられることが日常的に起こっていると思ってます。

これは悪いことか良いことかは別として、そういう日常にさらされていることを覚えておきたいと感じました。

 

最近になって私は、医者や弁護士よりも政治家のほうに不倫が多いという長年の思い込みは、まちがっていたのではないかと思いはじめた。しかも私は、この「事実」について、権力を握ると性欲が高まるとか、妾宅(ショウタク:Weblio辞書参考)を持ちたくなるといったもっともらしい説明までつけていた。だが実際には、政治家の浮気は医者や弁護士の浮気より報道されやすい、ということにすぎない。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

上記引用文のように、「報道されやすい」ものは、それが多いものだと印象付けられてしまいます

 

また、勝手に自分でストーリーを作り、その印象が正しいものだと、決めつけていくということです。

 

これは、ほぼすべての人がやっていることだと思います。

 

芸能人が不倫が多いイメージがありますが、統計的データを見て「それが正しい」という人は少ないのではないでしょうか?

僕もそういうイメージがありますが、具体的に、政治家と芸能人とIT企業の社員と金融機関の職員を比較したグラフを見たことはありません。

 

実際に、本当に芸能人の不倫の割合が多いのかもしれませんが、正しい根拠を持ってそのイメージを持っているかどうかということです。

 

これがきちんとしていないと、いざというときに、偽の情報やニュースに踊らされたり、だまされてお金を使ってしまう危険が出てくる可能性があります。

 

気をつけないといけないと思ってます。

 

②メディアの強さを忘れない

現代は、テレビや新聞を見なくなっていると言われている時代です。

ただ、そういったメディアはインターネット上にも存在していますので、読む媒体が本や新聞からインターネット記事に変わっただけで、メディアは依然として強いと思ってます。

 

一般人の情報より、メディアの情報の方を、僕は信じる傾向があります。

メディアの情報の方が、しっかり調べて公開された情報である「はずだ」という思い込みがあるからです。

 

人間は記憶から容易に呼び出せる問題を想定的に重要だと評価する傾向があるが、この呼び出しやすさは、メディアに取り上げられるかどうかで決まってしまうことが多い。‥メディアが報道しようと考えるのは、一般市民が現在興味を持っているだろうと彼らが判断した事柄である。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

僕はメディアが、まったく流行っていないものを「流行っている」という嘘の情報を流したら、それは流行っていくと思ってます。

それだけメディアの力は強いと思っています。

 

確かに、SNSも発達しているので、嘘の情報だということも広まると思いますが、その情報を受け取らない人やその情報を信じない人の方が多ければ、流行ると思います。

そして、そのような人の方が、多いと思っています。

 

これは統計をとって調べたわけではなく、僕の思い込みやイメージですけどね

 

本書を読んだ人は、僕の発言や意見に対しても、簡単に信じない方がいいです。

疑ってかかりましょう。

 

ただ、このようにメディアが世間を動かすほどの強い印象を与えるものだということは、自己防衛のために頭のすみっこにでも入れておく方がいいと思ってます。

 

信用できるメディアでも、信用しすぎることは良くないと思ってます。

僕は、自分で見たもの、自分が試したものだけ信じ、それ以外のすべてのものは軽く参考にする程度に留めるように気をつけていく予定です。

 

③自分を良く魅せるために「目」に注目する?

本書を読むことで、女性がプリクラで目を大きくしたり、黒色のコンタクトレンズを入れる理由がわかりました。

美しく見せることができる方法のようです。

 

どちらも同じ美女を撮影したものだが、一枚のほうがもう一枚よりずっと魅力的に見える。両者のちがいはただ一つ、魅力的なほうは瞳孔が拡がっており、そうでないほうは収縮していることだ。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

目の中の黒い部分があまりにも多すぎると恐いですが、僕も黒が多い方が魅力的に見えてます。

当然、僕のイメージであり、そうじゃない人もいると思います。

僕は上記引用文に共感しました。

だから信じることにしました。

 

「瞳孔を拡げること」ができれば魅力的に魅せることができるということになりますが、どのようにすればいいのでしょう。

以下のような文もあります。

 

暗算をしているとき、被験者の瞳孔は通常は数秒以内に拡がり、問題を解く間は拡大したままとなる。そして答えを出すか、あきらめるかすると、ただちに収縮する。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

つまり、本書でいうシステム2、直感ではなく、少しでも考えを要するような問題や課題を解こうとするときに、瞳孔が拡がるということです。

 

別に、暗算でもなく、何かの質問に対して、直感や思ったことを回答するのではなく、「えっと〜」と考えるような時は、動向が拡がって魅力的に映るということになりますね。

合コンとかで使えそうなテクニックですね😄。

 

よくドラマや映画で、ベテラン刑事や信用している友達を見る人が、「目を見れば分かる」と言いますが、本当にそういうこともあるんだと感じました。

 

このように、瞳孔をチェックし続けることで、「この人は問題を解き終わったのか、まだ考えているのか」がわかるのは恐い側面、面白いことだと思ってます。

こういう研究をする研究者は面白いと思いますね。

 

④スキルや知識を身につけるのに苦労するのは最初だけ

僕は生まれてから死ぬまで、一生学び続ける必要があると思ってます。

 

今までも、学校教育やネットワークエンジニアとしてのスキル習得に時間をかけました。

今は、インターネットビジネスやアプリ開発、高齢者向けビジネスのために勉強をしようと思っています。

 

これまでの経験上、勉強はつらいというイメージです。

最初はなかなか覚えられないし、スキルが身についていかない。

時間をかけるとできるようになると思っていても、途中で投げ出したくなる。

 

本書を読むと、上記は、心理学的に(脳の仕組み的に)ほとんどの人に当てはまることなので、気にしないようなります。

 

あるタスクに習熟するにつれて、必要とするエネルギーは減っていく。‥飛び抜けて頭のいい人は、同じ問題を解くのに通常の人ほど努力しない。‥よく言われる「最小努力の法則」は肉体的な労力だけでなく認知能力にも当てはまるのである。この法則は要するに、ある目標を達成するのに複数の方法が存在する場合、人間は最終的に最も少ない努力でする方法を選ぶ、ということだ。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

勉強すればするほど、必要とするエネルギーは少なくなっていきます。

そのため、勉強する内容もどんどん先に進むようになり、ますますスキルや知識が増えていくでしょう。

 

あるときから、爆発的に成長していくことになるのだと思います。

 

今までの経験でもそうですし、本書を読む際も同じ印象を受けました。

本書は21章ありますが、最初の5章くらいは、正直読むのが辛かったです。

10分くらいで休憩をとっていました。

ただ、最後の方は、30分〜60分くらい連続で読むようになってます。

 

本書を読むことについての知識が最初の方で得られたため、必要とするエネルギーが減っていき、疲れにくくなったのでしょう。

 

今後学習する新しいスキルや知識についても、「やり続けることで必ず爆発的に成長する段階に到達する」ということを信じて、諦めずに続けていきたいと思います。

 

⑤表情を大事にする

以前、「笑った表情で本気で怒鳴り声を上げることはできない」ということを聞いたことがあります。

にこやかな表情で怒ったような言い方はできますが、確かに怒鳴るのは難しいです。

 

表情はその人の気持ちをうまく表すことができており、また、その気持ちと表情は一致していると思ってます。

 

たとえば楽しいと笑顔にになるが、笑顔になれば楽しくなる。‥すると横向きの鉛筆をくわえた(本人は笑っているつもりはないが)笑顔の被験者は、縦向きでしかめ面の被験者より、漫画をおもしろいと感じたのである。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

上記引用文を補足すると、鉛筆を横向きで加えると笑顔に近くなり、縦向きの時はしかめ面になることを利用して、その状態で、漫画を読んだときの実験結果です。

 

自分の表情により、気持ちも変わるという実験結果だと思います。

 

これは色々応用できそうです。

 

何か嬉しいことがあって、ニヤニヤが止まらない状態の時は、どんな漫画を読んでも、どんな映画を見ても、どんなテレビ番組を見て、面白く感じるのでしょう。

 

逆に、学校や会社や家庭で嫌なことがあってしかめ面をしている状態の時は、どんな漫画や映画を見ても、まったく面白くないと感じるのでしょう。

 

もし自分をコントロールしたいなら、漫画や映画やテレビ番組を見るときに、にこやかな表情で見ると、楽しく感じられるようになると思いました。

 

よくテレビ番組で、芸人さんが、「場(雰囲気、空気)を暖めておきました!」という場面を見ることがありますが、これは心理学的に理にかなっている行動だと思います。

 

他人をコントロールするなら対面で話すこと

ただ、他人をコントロールするのは難しいと思ってます。

特に相手が見えない、SNSや電話やメールです。

 

これが逆に対面だとコントロールしやすいと思ってます。

僕はサラリーマン時代に経験済みです。

 

仕事において、他部署の人を説得することがよくあったのですが、メールや電話で説得するより、対面で会議や打ち合わせをする方が、圧倒的に説得しやすかったです。

 

これは、表情を変えることができたのも理由の1つではないかと思い始めてます。

 

対面の場合、一般的な社会人は、笑顔で対応すると思います。

社会人的なマナーとして、むっつりする人は「少ない」と思います。

いないことはないけど‥。

 

つまり、対面で会うことで、笑顔になり、気持ちが和らいでいるのだと思います。

だから、顔を合わせる会議や打ち合わせの成功確率が高かったのだと感じてます。

 

メールより電話もありましたね。

メールは無表情で読みますが、電話であれば多少笑顔になります。

 

これは僕の経験ですが、あなたはいかがでしょうか?

 

SNSで相手の気持ちを変えることなどできないと考える

SNSではさまざまな人が、顔を見せずに意見を出しあってます。

それに対して、ヒートアップしている状況もあると思います。

 

ただ、これらの人の意見をコメントで見ても、ほとんどの人は意見を変えないのではないかと思っています。

 

誹謗中傷が問題になっていますが、どれだけ「誹謗中傷はダメだ」と言っても、やめないと思っています。

 

これが、対面で言われたり、例えば逮捕されたりしたら、反省して止める人も多いと思います。

 

ただ、匿名で顔も見せず、顔を笑顔にさせることもできないで、無表情で意見をコメントしている人に対して、説得することは難しいでしょうね。

 

僕は本書を読んでそう考えました。

そのため、SNSで自分と違う意見を見ても、反応(説得、対応)しないようにしようと思います。

 

⑥お金をかけない防犯対策

確実に使えるかはわかりませんが、防犯に使えそうな方法が記載されていたので紹介します。

 

単純なやり方ですが、守りたいものの近くに、防犯カメラを置くのではなく、「人が見ているポスターを貼る」方法です。

 

このオフィスのキッチンには紅茶とコーヒーが用意されており、スタッフはセルフサービスでそれを飲んで、代金は近くの箱に入れる習慣になっている。‥最初の週はこちらをじっと見ている目の写真、次の週は花の写真、という具合に交互に目と花が登場する。‥平均すると「目の週」の投入額は「花の週」の約三倍に達した。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

人が見ている写真を置くだけで、きちんとお金を払う人が増えたという実験結果です。

 

防犯カメラを電源オフにしても効果があると聞いたことがありますが、人が見ているポスターや写真でも多少の効果がありそうです。

 

家の中にそういうポスターや写真を飾っておけば、いざ泥棒が入ってきたとき、防犯対策につながる可能性もあるかもしれませんね。

 

⑦大事な判断は、時間をかけて考える

世の中には、心理テクニックを悪用する人もいます。

自己防衛しないと、被害を被ることになるでしょう。

その1つが、考える時間を与えないテクニックだと思います。

 

しあわせな気分のときは、システム2のコントロールがゆるむ。‥システム2が他のことにかかり切りのときは、私たちはほどんど何でも信じてしまう、ということだ。‥実際、疲れているときやうんざりしているときは、人間は根拠のない説得的なメッセージ(たとえばコマーシャル)に影響されやすくなる、というデータもある。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

旅行中購入したものが、自宅に帰ったときに、「いらないものだな‥」と感じたら、「しあわせな気分」で、システム2のコントロールがゆるんだのでしょう。

本当なら現場でよく考えれば「いらない」と判断できるものでも、ついつい考えずに買ってしまうという例です。

 

本書でいうシステム1、つまり直感は、基本的に「信じたがるようになっている」ようで、信じないと判断するのはシステム2の仕事となるようです。

直感だけで判断し続けると、販売者の言いなりのように買いまくってしまうことになる危険があります。

 

また、疲れているとシステム2がなまけてしまうので、これも危険です。

ストレスが溜まっているときに、物を買って発散するのも、同じようなことなのかもしれませんね。

 

逆に、ものを売る立場の人で考えると、人が疲れているときに訪問販売やCMを流す方がいいのかもしれません。

CMは、平日の夜に流すと仕事や学校で疲れた人が多いため、ヒットするかもしれません。

休日の夜はリラックスしている人が多いので、あまり効果がないのかもしれませんね。

 

これらは「かもしれません」と書かせてもらいました。

実際にやってみて評価していくことが、ビジネスの成功への一歩となると思ってます。

もし違えば、「ダメだった」という失敗例として評価し、次に違う行動を起こして、成功する行動を探していけばいつか成功するでしょうからね。

 

⑧人に伝えたいことがある場合、1番最初の行動が重要

本書から学んだテクニックで実施しやすく、重要だと思ったのが、「1番最初の行動が、後の行動すべてに影響する」ということです。

 

さて読者は、アランかベンか、どちらがお好きだろうか。

アラン:頭がいい、勤勉、直情的、批判的、頑固、嫉妬深い
ベン:嫉妬深い、頑固、批判的、直情的、勤勉、頭がいい

もしあなたが大多数の人と同じなら、ベンよりアランのほうがずっと好きだろう。最初のほうに挙げられた性質は、後のほうで挙げられた性質の意味すら変えてしまう。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

上記引用文を読んだとき、僕はアランを選びました。

 

最初に提示された「頭がいい」と、「嫉妬深い」の後に提示された「頭がいい」は別の意味になるという例です。

後者の「頭がいい」は、ずる賢いような悪い印象を受けてしまいました。

 

この実験結果はいろいろ応用できると思います。

また、成功法のテクニックになると思います。

なぜなら、伝えている文章の内容は変わらないからです。

 

つまり、「嘘をつくことなく」、自分が伝えたい内容を変えることができます

 

文章の順番を変えるだけで、相手に与える印象をまったく反対の印象に変えることができるわけです。

テクニックといっていいと思います。

 

文章の順番というより、最初に提示する事柄が重要ということですかね。

下記のように応用できるテクニックだと思いました。

 

製品やサービスのアピール
良い印象を最初に与え続け、他社に負けていることは最後のあたりに説明するほうが、それを良い印象に変えることができる

 

ブログの記事
・伝えたい方向性(良いイメージを与えたいか/悪いイメージを与えたいか)を最初に提示する

 

打ち合わせや会議での応用
・「話したいテーマ」を最初に明確にさせておけば、多少話がズレても、テーマに関する話になる
・ただし、途中で参加してくるような人には注意
・最初のテーマをよく聞かず、途中の内容を聞きながら意見を出されると、テーマからまったく外れたことを言い出す可能性が高くなる

 

最初に与えた印象が、のちのすべてに影響するのは、人と会うときも同じかもしれません。

だらしない格好で最初に会ってしまうと、それ以降どんな時も、その最初の印象から「仕事が遅そう」「仕事が雑そう」だと思われてしまうでしょう。

格好や態度に気をつけるのは、重要だと思いました。

 

⑨人に伝えたいことがある場合、数字の使い方を考える

本書から学んですぐに使えそうなテクニックは、数字の使い方を考えることです。

 

「手術一ヶ月後の生存率は90%です」のほうが「手術一ヶ月後の死亡率は10%です」より心強く感じる。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

ブログの記事も、メールも、SNSのコメントでも活用できそうです。

 

自分が与えたい印象を考えて、文章を書くべきですね。

 

患者を勇気付けたいなら「手術一ヶ月後の生存率は90%です」と伝えたほうがいいでしょう。

 

冷静に判断できる人(本書でいうシステム2で考えられる人)は、「手術一ヶ月後の死亡率は10%です」と伝えられても、上記の生存率90%と同じことだと判断できるでしょう。

 

ただ、患者は、病気になってパニックになっており、冷静に判断できない人が多いでしょう。

そういう人に対しては、直感(本書でいうシステム1)で考えても、安心できるような言い方を、こちら側で考えて伝えるべきだと思います。

 

⑩「成功法則なんて存在しない」という考えを強めることができた

僕は今後も本を読み続けますが、「人生の成功法則」「ビジネスの成功法則」「成功するやり方」「億万長者なれる方法」「誰でも英語がペラペラになる方法」など、すべてに対して懐疑的です。

まったく信じていません。

 

そんな方法があるなら、世界中の教育機関や企業が取り入れていると思います。

世界70億人に共通する方法でないと、「法則」とは呼べないわけですし、「誰でも」という言葉も合わないと思います。

 

本書では、ビジネス書に対して語られています。

 

うまくいっている企業のCEOは、臨機応変で理念と決断力があるように見えるのである。しかし一年後にその企業が落ち目になっていたら、同じCEOが支離滅裂で頑固で独裁的だとこきおろされるにちがいない。‥企業の成功あるいは失敗の物語が読者の心を捉えて話さないのは、脳が欲しているものを与えてくれるからだ。

ファスト&スロー 上 あなたの意思はどのように決まるのか?

 

ビジネス書や成功本を読んでも成功できない(仕事でも私生活でも)と悩んでいる人は、本書の19章を読んでもらいたいです。

あくまでも著者の考えですが、僕は賛同しています。

 

「成功する方法もあると思うが、成功には運の要素も含むまれており、その方法が占める割合が高いわけではない」というような説明です。

 

そのため、ビジネス書で学んだ成功した方法を真似しても、成功しないことがあるのは不思議ではありません。

 

僕は成功本やビジネス書を否定しない

本を読む目的はいろいろあると思います。

 

「成功したい」という人が成功本を読んで成功しないのは困ると思います。

ただ、そういう人ばかりではないと思うので、成功本は出版され続けていいと思っています。

 

僕は、成功本は、「自分の気持ちを盛り上げるため」に読んでいます。

成功本やビジネス書を読むと、やる気が出てきます。

 

僕の考える成功は、運も努力も才能も環境も考え方もあるゆる要素が混ざって出来上がるものだと思っています。

その中で重要なのは、「行動」と「続けること」だと考えています。

 

成功するまで行動し続ければ成功すると思ってます。

または、成功せずに死ぬ。

どちらかだと思ってます。

 

一回失敗して終わるのであれば、失敗で終わります。

成功は、成功するまで続けることで手に入れるものと考えます。

 

ただ、失敗すると落ち込みやりたくなくなります。

そういうときに、「成功本」「ビジネス書」は、気持ちを盛り上げてくれるわけです。

 

当然、実践したいテクニックも含まれています。

 

そのため、誰でも成功できる方法が書かれていなくても、その人が成功した方法が書かれていれば嘘ではないですし、その本の活用方法は、読者次第だと思ってます。

 

そのため僕は、成功の法則がないとわかっていながら、成功本とビジネス書を読み続けていきます。

本を読むことで楽しければ満足です。

本ブログのタイトルのとおりですね。

 

2. 終わりに

本当はもっとお伝えしたい情報があるのですが、あまりにも文字数が多くなるのでここでやめておきます。

ぜひ本書を読んでみてもらいたいです。

 

ここまでまとめてきた内容は「上巻」です。

まだ「下巻」が残ってます。

(2020年2月5日追記:下巻のレビューを行いました)

 

本書がいかに、学べる内容が多いか分かると思います。

 

僕は本書を、「何度も繰り返して読む本」に認定しました。

何度も読み、その度に、本書に書いている心理学テクニックを1つずつビジネスに応用していきたいと思ってます。

 

失敗して使えなければ、失敗結果として、新しい方法を試していきます。

そうやって成功につながるテクニックを探していく予定です。

 

また、本書は、そういうテクニックから守るためにも活用できます。

日常生活に自然と応用されているテクニックですので防ぎにくいですが、いくつかは対応できるでしょう。

 

人生を他人にコントロールされず、自分でコントロールして生きていくために本書を読むことをオススメします。

 

(2020年2月5日追記)
「ファスト&スロー 下 あなたの意思はどのように決まるのか?(著者:ダニエル・カーネマン)」のレビューを以下の記事で書いてます。

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