【88冊目】「美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?(著者:林 總)」

記事まとめ

  • 「美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?(著者:林 )」の本をまとめた
  • 本書を読むことで、「システム導入を行うときには、そのシステムから得たい内容をよく考え、また、必要により業務の流れを変えるべきだ」ということを学んだ
  • システム導入を成功させるやり方を知りたい人に本書をオススメしたい

 

「美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?(著者:林 )」を読みました。

本書について一言で紹介するなら、「物語と解説の両方の形式で、会計情報により、システム導入の失敗を成功に変えていく方法を教えてくれる本」です。

 

本書は、会社経営と会計の本ですが、基本は物語形式で進んでいくため、読みやすい本となってます。

ちなみに僕は、本書を読み終えるのに、1時間59分かかりました。

 

本書を読む前に、同じ著者の本を5冊読んでます。

 

どの本も、「会計データを信用しすぎるな」「業務改善はムダを省くこと」という内容になっています。

本書も同様ですが、特徴的なのは、システム導入を行った会社が、その恩恵を受けることができず、むしろ、業務の不具合が発生し、会計をからめて改善していく話になっている点です。

 

会計は主に、業務のムダを発見するために利用します。

会計の話以外は、基本的には会社経営の話になります。

システム導入において、「経営者はどういう目線でシステム導入を考えるべきか」「システム導入前に何を行うべきか」などです。

 

そのため、会計というよりむしろ、システムを導入する予定がある人や、システムが活かされていないと感じている人に本書をオススメします。

 

それでは本記事で、僕が本書から学んだことをご紹介していきます。



 

 

1. 「美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?(著者:林 )」のレビュー

  • 1-1. 本のタイトルについて
  • 1-2. 著者について
  • 1-3. 目次と概要について
  • 1-4. 僕が学んだこと

 

「美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?(著者:林 )」についてレビューします。

1-1. 本のタイトルについて

本のタイトルは、「美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?」です。

 

タイトルに「美容院と1,000円カット」とありますが、物語の関係者が、美容院や1,000円カットのお店を経営しているわけではないです。

これは主人公に、会計の仕組みを教える際に出てきた、例え話です。

 

主人公の会社は、アパレル会社になります。

 

1-2. 著者について

著者は、「林 」さんです。

 

以下のウェブサイトを運営しているようです。

公認会計士 林

 

運用しているTwitterアカウントは見つけることができませんでした。

 

経歴

「林 」さんの経歴については、本書によると以下のとおりです。

 

公認会計士、税理士、LEC会計大学院教授(管理会計事例)、日本原価計算学会会員、株式会社林總アソシエイツ代表取締役

美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?

 

本書は、公認会計士が書いた本です。

 

1-3. 目次と概要について

本書の目次は以下のとおりです。

タイトル
プロローグ 動かないコンピュータの責任は誰に?
第1章 コンピュータは、なぜゴミ製造機になってしまったのか?
経営者には情報責任がある
第2章 経営者は鳥に、虫に、魚になれ
経営者が持つべき視点と情報
第3章 パリの町はなぜ美しいのか?
実現したい目的を最初に明らかにする
第4章 すべては20対80の法則に支配される
大事なことに集中する
第5章 美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?
限界利益と固定費の関係を知る
第6章 カーナビゲータは、手放せない
リアルタイム情報を実現する経営ダッシュボード
第7章 匂いは、元から断て
仕事のやり方を改善し、ムダを省く
第8章 足がしびれたままでは、立ち上がれない
2つの予算責任
第9章 シンプルなほど美しい
必要なものだけを残し、不要なものは捨てる
終章 祝杯

 

「だ・である調」

本書は、「です・ます調」ではなく、「だ・である調」です。

本ブログのような「○○です。」という文ではなく、「〇〇である」という文です。

 

会計の本ですが、物語形式のため、読みやすい本となっています。

 

概要

本書は会計と会社経営に関する本です。

物語形式と解説形式の両方が収録されています。

 

文字数が多いのは、物語の方です。

解説の方は各章4〜5ページ程度で、その物語で出てきたことを、少し詳細に解説しています。

 

本書には前著があり、それは「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」という本です。

 

前著では、主人公が父が経営するアパレル会社の新社長に突然任命され苦労しながら、同じマンションに住む、大学院で会計を教えている男に、会計と経営について教えてもらいながら成長していく物語でした。

本書はその続きで、効率化のためにERPシステムというシステムを導入したのですが、それがうまく稼働せず、会社の経営状況が悪くなり、大学院で会計を教えている男に、改善の仕方を教わる物語になってます。

 

ちなみにERPシステムとは、受注から代金回収までのデータが一元的に管理できるようなシステムです。

 

ERPシステムを導入すれば、受注から出荷、そして代金回収までのデータが一元的に管理できるようになりますから、人手も、在庫も、運転資金量も大幅に削減できます。

美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?

 

 

システムを導入する前に、業務の流れを整理する

本書では、「システム導入すれば効率的になりますよ」という程度の認識でシステム導入を行って、さまざまな部署間のデータがうまく連携できず、経営状況が悪化するというシナリオになってます。

 

また、会社の業務が、システムの標準的な機能では対応できず、追加機能を次々と導入していくことで、システムがうまく作動しなくなっていきます。

 

同じようなことは、さまざまな会社で起こっていると思われます。

 

僕がサラリーパーソン時代(2007年〜2018年)に所属していた会社も、いろいろなシステムが導入されていましたが、それぞれが会社の業務に合わせた個別仕様でした。

そのため、システム費用が高く、また、各部署が必要な機能が盛り込まれるため、マニュアルが分厚い辞書のようになってました。

 

本書では、システムをより活用するためには、業務を見直すことだと説明しています。

 

由紀は、今日のポイントをノートに書いた。

  1. 製品在庫が増え続ける
  2. 物流コストが異常に高い
  3. 返品が多い

「コンピュータシステムを作っても、この問題は解決できないだろうね。ムダ(匂い)は、その元から断たなければダメ、ということだ」

美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?

 

コンピュータシステムを導入する前に、業務におけるムダを発見し、経営状況が悪くなっているであろう原因を突き止めておくべきです。

そして、コンピュータシステムを導入することで、そのムダを解決できるのかよく考える必要があります。

 

システムを導入すれば、どんなムダも、魔法のように消えていくということはないということです。

そもそも業務の流れにムダがあれば、システムを導入しても変わらず、むしろ悪化することもあります。

 

業務の流れにムダがあり、そのムダがシステム導入における機能追加要望になって、機能が増え続けるということもあると思います。

業務を変えずに、システムにすべてを導入しようとすると陥る問題です。

必ずシステム導入前には、業務フロー整理をすべきだと学びました。

 

システム要件をしっかり伝える

当たり前なことですが、難しいのが、「システム要件をしっかり伝えること」です。

そのシステムでどんな効用を得たいかを伝えることです。

 

機能が欲しいというより、「こんなことをしたい」ということを伝える必要があります。

これがうまく伝わらないと、システム費用増やシステム複雑化を招きます。

 

もう分かったね。今回の失敗は、君が『どのような情報が欲しいのか』を、はっきりと指示しなかったからだ。しかも、情報システム部長も、SI会社のコンサルタントやSEも、ERPパッケージが用意している情報で十分だと信じきっていた。もし君が本当に欲しい情報を明確にしていたら、彼らも、君の要求に従って行動したはずだ。

美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?

 

「システム利用者」→「システム設計者」→「システム開発者(外部組織)」という場合は本当に難しい。

僕は、上記の「システム設計者」でしたが、実際にシステムを使う人の業務を理解して、その内容を、外部組織の担当者に話をして、システムを作ってもらう必要がありました。

 

この伝言ゲームがうまくいかないのです。

 

特に、業務が複雑だったり、言葉で説明しにくかったり、言語化(マニュアル化)していても長すぎたりしたら、お手上げです。

 

ただ、この業務内容をきっちりとシステム開発者に届けないと、欲しいシステムが出来上がりません。

システム利用者自ら説明を行なったり、システム開発者に業務の流れを直接見てもらったりしないとうまく伝えられないのではないかと経験上思ってます。

 

もしくは、業務を整理して、シンプルにすることから始める方が良いと思いました。

 

システム導入のやり方を知りたい人にオススメ

本書では、業務のムダを見つけるため会計情報を活用したりします。

ただ、会計よりも、システム導入における、正しい流れを教えてくれます。

 

そのため、システム導入を行う予定がある人に、本書をオススメしたいと思います。

 

1-4. 僕が学んだこと

本書の内容とともに、僕が学んだことをまとめていきたいと思います。

 

①業務のムダは厳しく考える

「自分の業務にムダがない」と思っている人は多いと思います。

それは、すべての業務が必要なものだと思い込んでいるからです。

 

下記の行為はムダです。

 

  • 資料の見直し
  • お客様事業所に訪問したが、成約を取れなかった

 

正しい資料を作るため、上司に指摘を受けた部分を直していくことは、一見当たり前のようですがムダです。

指摘もなく一発で資料が出来上がれば、大幅に作成時間が減らせます。

 

「そんなのはムリ!」と思うでしょうけど、一発で資料が合格するように、上司がよく指摘する部分を把握して、見直し回数を減らしていくべきです。

それには、資料の見直しがムダだという認識が必要です。

 

また、「成約をとるために、何度もお客様を訪問して、親密になっていくことが重要だ」と考える人もいると思います。

これもまた、一発で成約が取れれば、大幅に訪問時間を減らせます。

ムダだと認識しないと、一発で成約をとる工夫を考えないのではないかと思います。

 

とにかく、日々の行動には、ムダがたくさんあり、それをムダと認識することから始める必要があると思いました。

意識してムダだと思わないと、減らないのでしょう。

 

②原価計算は妥協しない

著者が、「日本原価計算学会会員」であるためか、著者の本は、原価の話がよく出てきます。

本書にも出てきました。

 

つまり、原価計算をする目的は、製品ごとの正しい利益を計算することにある。しかし、計算方法によって利益は変わる。だからこそ、当事者が納得する原価計算ルールを社内で作る必要がある。

美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?

 

僕も原価を計算したことがあるのですが、特に、「共通部分」が大変でした。

「このサービスとこのサービスは、1つの部署で対応しているため、そこにかかる人件費をどう計算するか?」のような部分です。

 

その部署に聞いて、「何人が何時間くらい対応しているか計ってくれないか?」とお願いしても、「意味あるの?」と面倒くさがられることがありました。

 

ただ、この原価計算をしっかりやっておかないと、本来黒字だと思っていたサービスが実は赤字だったということが発生してしまいます。

 

売れば売るほど利益になると思っていたサービスを社員一丸となって販売していたが、実は利益が出ないサービスであったら、知らず知らずのうちに業績が悪化していくでしょう。

 

原価計算は細かく、正しくやるべきだと思いました。

 

2. 終わりに

システムは人間よりミスが少ないし、計算が早いため、導入すると大幅に業務効率が良くなると思ってしまいます。

 

実際、求めるシステムが導入されれば、人件費削減や業務速度向上につながるのだと思います。

 

ただ、やはりコンピュータは、人と違いますね。

言われたこと(プログラミングした内容)を、やるだけです。

その内容が間違っていると思っていても、そのまま実行します。

 

人がプログラムで正しく命令してあげないと、期待したシステムとして動いてくれません。

 

そのために、システムの要件をしっかり定義して、その内容をしっかりと伝えることが大事です。

そして、その前に、複雑な業務やムダな業務をなくしておくと、より伝えやすくなります。

 

システム要件の作り方などは学べませんが、システムを導入するときに考えることや、業務の流れを見直す重要性などを学べますので、ぜひ本書を手にとってみてください。

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